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『時計じかけのオレンジ』の公開直前に、ニューズウィーク誌の表紙を飾ったスタンリー・キューブリック監督、その写真を撮ったのは本人だった!

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何でも自分でやらなきゃ気が済まないスタンリー・キューブリック監督
何でも自分でやらなきゃ気が済まないスタンリー・キューブリック監督 - Getty Images

 映画『時計じかけのオレンジ』が1972年2月に全米公開されるにあたり、ニューズウィーク誌の1月3日号でスタンリー・キューブリックの写真が表紙を飾った。撮影機材を右手に持ち、左手人差指がこちら側に差し向けられたキューブリックの顔のアップ写真を、どこかで目にしたことがある人も多いだろう。実はこの写真を撮ったのは、ほかでもない、キューブリック本人だったのだそう。

 当時、MGMやワーナーなどで宣伝・マーケティングの重職につき、キューブリックからも絶大な信頼を得て、密接に仕事をしていたマイク・カプランが、ウェブサイトmoviefone.comに寄せたコラムにおいて、メディアでの取り上げられ方について、キューブリックがいかにコントロールフリークだったかを語っている。

 キューブリックは、「インタビュー記事の中で、自分が語った受け答えについては、本意を正確に伝えていると納得できるまで徹底的に校正をほどこした」そうで、「何日も費やして、満足のいくまで表現をそぎ落としていく。その結果、見事なまでにさえわたった表現ができあがった」のだそう。

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 映画監督として名声を確立する以前に、すでにルック誌に掲載された一連の写真によりカメラマンとして一級の腕前を見せていたキューブリックが、表紙の写真に並々ならぬこだわりを見せたのは当然だった。特集記事に合わせて表紙が決定したとき、「わたしが撮影すると伝えてくれ。仕様を聞いておいてほしい」とカプランに伝えたそうだ。

 「ニューズウィーク誌のカメラマンが撮らない表紙なんて前代未聞」とアートディレクターのひんしゅくを買うも、結局、特集記事の大きさに、キューブリックの主張が通った。キューブリックは、エグゼクティブ・プロデューサーを撮影位置に立たせ、1時間かけて照明やアングルを調節した末に、最後に自らがその位置に立ち、プロデューサーにただカメラのボタンだけを押させた、とカプランはつづっている。(鯨岡孝子)

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