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『ファンタスティック4』が描く家族の在り方 子安武人×坂本真綾、リードとスーから学んだ理想の関係性

日本版声優を務めた子安武人&坂本真綾
日本版声優を務めた子安武人&坂本真綾

 マーベル・スタジオ最新作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の日本版声優を務めた子安武人(リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック役)&坂本真綾(スー・ストーム/インビジブル・ウーマン役)がインタビューに応じ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に誕生した新たなヒーローチームの魅力、劇中で描かれる家族の関係性から感じたことを語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

【動画】『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』吹替版予告編

 ファンタスティック4は、宇宙ミッション中の事故で特殊能力を得た4人で構成されたヒーローチームのこと。身体がゴムのように伸縮するリーダーのリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック、身体の透明化やフォース・フィールドを形成するスー・ストーム/インビジブル・ウーマン、炎を自在に操るジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ、岩のように強固な身体と怪力を持つベン・グリム/ザ・シングが所属しており、彼らは“家族”という強い絆で結ばれている。

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リード・リチャーズは未熟で不完全なリーダー

子安が担当したリード・リチャーズ - (C) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

Q:リード・リチャーズ、スー・ストームの日本版声優を担当することになった率直な心境は?

子安武人(以降、子安):普段はヴィランを演じることが多いので、正直少しパニックになりました。でも、ヒーローを演じられることが嬉しかったですし、気持ちを切り替えて収録に臨みました。

坂本真綾(以降、坂本):新しいキャラクターを演じる機会をいただけて、嬉しかったです。ヴァネッサ・カービーさんが演じるスーは、すごく知的で冷静、母性で包み込むような優しいセリフが多く、私が思い描いていたヒーローとはまた違う印象を受けました。ヴァネッサさんの声にフィットできるように、気を引き締めて収録しました。

Q:お二人が演じたリードとスーの魅力を教えてください。

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子安:リードは、完全無欠のヒーローのリーダーではなく、夫としても人間としても未熟で不完全です。もしかすると、みなさんが思っていらっしゃるキャラクター像とは少し違うかもしれません。うまく喋れずに気持ちを伝えられず、誤解を招くこともあります。観ていてもどかしさもありながら、それでも頑張って、4人で一緒にやっていきたいという愛情が伝わってくる。(リード役の)ペドロ・パスカルさんが、そういうお芝居をしているので、僕も(日本版で)そこは拾わなくてはいけないと思いました。

坂本:スーにはカリスマ性があり、大勢の前で演説したり、メンバーの中でもまとめ役になったり、どんな人もスーには一目置いて対話してくれるので、人徳がある人だというのは感じます。また、彼女は自分の感情を心の奥にとどめて、俯瞰して物事を見るタイプ。実は全体を包括して、チームをつないでいるのはスーなのかもしれません。

「感情的になりすぎない」スー・ストームの寄り添い方から学び

坂本が声を当てたスー・ストーム - (C) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

Q:リード&スーの夫婦の関係性から学んだことはありますか?

坂本:リードはかなり繊細で、細かいことが気になり、綿密に計画を練ってからでないと動き出さないので、スーがその繊細さを一生懸命盛り立てて、時にはコントロールしています。スーはあくまでも、リードには表立って干渉はせず、感情的にもなりすぎず、うまく距離を取って寄り添っているように見えるので、これが妻のあるべき姿なのかと、学ぶところしかありませんでした。

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子安:その通りだと思います。リードは、本当にスーのことが大好きで、愛しているんですよね。相手の思いを慮る心があることも素敵です。もちろん、衝突することはありますが、それは当たり前のことで、誰もが同じことを経験すると思います。夫婦や家族として特別なことではなく、それが世界平和を守っているヒーロー夫婦というのが意外なんです。彼らには自分たちの生活があるし、何より彼らも人間です。自分の考えだけを押し付けないで、各々が相手のことを思って行動すること。それが、夫婦関係がうまくいく秘訣だと思います。

Q:ファンタスティック4は家族という強い絆で結ばれており、4人で過ごす時間をとても大切にしています。家族という視点からファンタスティック4を見て、お二人が感じたことはありますか?

子安:夫婦、義理の弟、親友で構成されたファミリーですが、非常に仲が良くて、やはりお互いを尊重しています。率直な感想ですが、チームを率いるリードの地位が、4人の中で低いと思ったり(笑)。でも、それが彼ららしい関係性なのかもしれません。

坂本:もともと人間として関係性を築いているのは、他のヒーローたちとは異なる魅力です。普通の人生を送っていた4人が、ある時からヒーローになり、時には孤独も感じる。この4人でしか分かり合えないこともあり、長く協力し合っていかなければならないという命題の中で、お互いが努力して、関係を壊さず、家族であろうと努力することが必要だと思いました。

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ファンタスティック4の変わらぬ魅力

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』本ビジュアル - (C) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

Q:ファンタスティック4はマーベルヒーローの原点であるチームで、マーベル・コミックスでの初登場から60年以上が経過した今なお、世界中で愛され続けています。世代を超えて愛されるファンタスティック4の魅力を、お二人はどのように分析されていますか?

子安:マーベル最初のヒーローチームと言われるファンタスティック4が、こんなにも完璧にできあがっていることが、まずすごいと思います。みなさんが知っているゲームにも当てはまるような、役割分担がきちんとされています。優れた特殊能力を持っている人たちだけど、ひとりで世界を守れるほどの強さは恐らくありません。お互いが助け合い、足りないものは補い、時にはぶつかるけどそこを理解する心も育んでいける。一般人と同じ立ち位置で物事が考えられる。身近なヒーロー4人がチームとして戦う、それこそファンタスティック4の魅力じゃないかなと思います。

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坂本:ビジネスパートナーやバディではない、家族という関係性で戦うヒーローは当時から珍しかったと思います。また、レトロフューチャーな1960年代が舞台になっているところも絶妙ですよね。昔の小説や漫画で描かれた未来が、2025年では当たり前だったりする中で、現代風にアレンジせず、当時憧れた未来と現実の融合が映像化されている感じがします。当時の人々が開発したすごくハイテクな宇宙船、人間とロボットの共生が、私たちとは少し違う視点で、魅力的に描かれていると思いました。

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は全国公開中

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