「風、薫る」見上愛&上坂樹里、言葉がなくても通じ合う存在 主人公バディは「戦友のような関係」

3月30日よりスタートする連続テレビ小説「風、薫る」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で主演を務める見上愛(一ノ瀬りん役)と上坂樹里(大家直美役)。明治期が舞台の本作で、トレインドナース(正規に訓練された看護師)として活躍した、考え方もやり方も違う二人の主人公を演じる。取材会に出席した二人が、バディとなるキャラクターを演じるにあたって意識したこと、撮影中の仲良しエピソードなどを語った。
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連続テレビ小説第114作となる「風、薫る」は、まだ女性の職業が確立されていなかった明治期に、考え方もやり方も違う二人のトレインドナース(正規に訓練された看護師)をモチーフに描いたバディドラマ。看護婦養成所を卒業したりん(見上)と直美(上坂)が、患者や医師たちとの向き合い方に悩み、ぶつかり、成長していく姿を描く。
2019年に俳優デビューを果たした見上は、昨年放送されたNHK大河ドラマ「光る君へ」で、11歳にして一条天皇のもとへ入内する藤原彰子を演じた。一人の人生を長く演じる難しさをすでに経験しており、それを踏まえて本作の撮影を振り返り、「子供が親になっていく過程を、必ずしも成長に合わせ、順番に撮れるわけではないので、(演じる側として)組み立てが難しいと感じることがあります」と話す。
演じるりんは、栃木県那須地域出身の元家老の家の長女だ。物心がついた頃、一家が帰農し、細やかではあるが不自由のない暮らしを送っていたが、町でまん延したコレラをきっかけに、人生の歯車が狂い始める。見上は「りんは直美や様々な人々と出会う中で、少しずつ価値観が変わっていきます。それに伴う成長や変化をやり過ぎないように演じたいです」と役への思いを語る。
一方、上坂は生後まもなく親に捨てられ、キリスト教の牧師に育てられた直美を演じる。直美は「信じられるのは自分の力と運」という信念のもと行動をする芯の強い女性。大河の経験を持つ見上に対して、上坂は「こんなに長く一人の人物を演じるのは初めてです」と明かす。「つい先日も少し時間が経って、直美はもうこのくらいに成長しているかなって、テストで思うように演じてみたら、監督が『あんまりにも肝が座り過ぎている』って。『もっと緊張感のある感じに戻って』と言われました。すごく難しいんだなって。変わらない部分を大事にしながら、直美の成長や時間の経過とも丁寧に向き合っていかないといけないと思いました」とここまでの撮影を振り返る。
脚本の吉澤智子は、本作の執筆にあたり「バディものをやりたい」と話していた。見上は作品で描かれる二人のバディ関係について「りんと直美はよくバディになれたなと思うくらい生き方も考え方も違う」と話す。「生まれや育ち、それまで歩んできた人生が大きく違っているからこそ、自分が正しいと思ってぶつかり合うこともありますが、その噛み合ってなさが、第三者から見たら面白く映る場面も多々あると思います。決まった役割というか、立ち位置、こういう人だねっていう感じがあまりなく、いろんな感情をお互い、出し合っていく。そんなバディの関係だと思っています」と二人の関係を分析する。
上坂もりんと直美の性格や生き方の違いについて、「タイプが違うからこそ、通じ合えるものもある。りんは直美が持っているガードを全て打破して、直美の素の部分、奥にあるものを引っ張り出してくれるんです。ゆくゆくは当時なかった看護の道を切り拓いていく二人ですが、看護婦になってこうしたいという思いは一つ。戦友のような関係でもあると思います」と話した。
撮影エピソードを聞かれると、二人は初対面の際の印象を振り返り、見上はキャスト発表会見で初めて会った上坂を見た際の「透明感があまりにもあって、何も染まっていないという感じがしました」という第一印象を紹介。「柔らかい雰囲気の中に芯の強さがあって、樹里ちゃんがどう直美に変わっていくのかを間近で見られるのは幸せだなと感じました」と期待を寄せたという。
上坂は初対面当日はとても緊張していたといい、「会見の日の記憶があまりないんです。でも、最初に会った時は太陽のような方だと思いました。(見上がそばにいると)リラックスできるし、肩の力を抜いて話すことができました。隣にいてくれるだけで心強い人で、現場でも周りをよく見ていて、みんなを巻き込んでいく優しさ、ついていきたいと思える逞しさを持っている人だと感じました。長い間、一緒に撮影をさせてもらえるのを幸せに感じます」と見上の印象や魅力を紹介した。
似ている部分を聞かれると、見上は「掃除が苦手なのが似ています」と笑顔を見せる。上坂も「シンパシーを感じることは多いです。撮影の時、歯ブラシを持ってくるのを忘れてお昼の時間に買いに行ったんですけど、見上さんも同じ日に歯ブラシを忘れてきていて、現場で買いに走っていたんです。後で見上さんの買った歯ブラシを見たら、私の買い直したものと同じでした(笑)」とユーモアを交えて二人の共通点や似た部分を紹介した。
見上は「一回、ロケの時に二人でご飯に行ったりしました。撮影時間が長いので、お互いに話さなくても、なんとなく何を考えているか想像がつくようになっています。看護稽古を前室で一緒に練習したり、次やる台本を樹里ちゃんが見ていたら私も横からのぞいたり。無理せずゆっくりと関係を深められたらいいなと話していたので、心地いい感じで距離感が縮まっていると思います」としみじみとコメント。上坂も「撮影している時によく(見上が)助け舟を出してくれます。そこに救われています。りんと直美としている時間が多いけど、自分が頼る側ばかりでなく、私からも何か力になってあげられる存在でいたい」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)


