朝ドラ「ブラッサム」北海道編スタート!風土が与える主人公への影響とは?

石橋静河が主演を務めるNHK連続テレビ小説「ブラッサム」は6週目に入り、第28回から舞台が北海道に変わった。制作統括を務める村山峻平が、ここから始まる北海道編への思いや、意図について語った。
【第28回場面写真6枚】「ブラッサム」珠(石橋静河)は立ち直れず
本作は、明治から昭和にかけて自由を求め、書くことを通じて自らと向き合い続けた作家・宇野千代をモデルとした連続テレビ小説第115作。岩国市に生まれた主人公・葉野珠(はの・たま)が、波瀾万丈な人生を歩みながら、小説家として大成していく姿を描く。
村山は過去に北海道の十勝を舞台にしたNHK連続テレビ小説第100作「なつぞら」のプロデューサーを担当し、北海道の風土や、そこで暮らす人の気概や文化にスポットを当てた経験がある。北海道について聞かれると、「北海道の人たちは一回の失敗は失敗じゃないという忍耐や不屈の精神を持ち、何度でも挑んで豊かさを勝ち取っていく文化があります。だから北海道という大地に対する感謝の気持ちも常に持っており、仲間や家族の大事さを理解し、強い絆で結ばれている。珠の塞いだ気持ちから始まる6週では、北海道の人たちとの生活や、彼らの過去の失敗からくる開拓精神、やり続ける大事さというものを吸収しながら、明日に繋げていくという内容を描いています」と話す。
本作の主人公のモデルとなった作家の宇野千代は、最初の結婚が10日で破談になった後、初婚相手の弟と再婚し、22歳で札幌へ移り住む。「ブラッサム」でも珠は保と結婚し、札幌の銀行への就職を決めた保と共に北海道行きを決意する。村山は「珠は少し気持ちが塞ぎ込んでいたのに、北海道の人たちの輪の中で明るくなり、気持ちが少しずつ晴れていく。一方で、北海道の人たちの純粋さや、真っ白な気持ちのようなものが、別の意味を持ち始めるのが翌週の7週の展開です」と今後の展開についても話す。
村山は「珠は巻き込まれていく人なので、北海道に行くということも、自分から行きたいと言っているわけではなくて、巻き込まれながらそこへ行くことになります。主人公として、今の自分の生きる道を見つめ、一つずつそこに意味を見出していき、心を回復していくというところが6週で描いている大事な部分だと思います」と話す。
不思議なのは6週で描かれる北海道の人たちの話し言葉が、北海道弁ではなく標準語であることだ。ここにも村山のこだわりが見え隠れする。村山はやはり「なつぞら」の時の経験を振り返り、「北海道はいろいろな地域から人が来ているので、言葉が一定しないんです。言葉に関しては視聴者の皆さんに届きやすい言葉にしたという理由があります」と説明する。
また、第28回では珠と保が東京から北海道へ、列車に揺られながら旅立つ。村山はこの二人の旅立ちを振り返り、「電車に乗って、二人で北海道へ行くという、本当にゼロからのスタートになる。保は頼りなさや、心細さが残りつつも、『ここから自分がちゃんと引っ張っていくんだ』という強い思いも持っている。その保の自信なさげな感じ、若さだったり、若さゆえのいきり感だったり、そういったものが、演じている金子大地さんに憑依して、すごくいいシーンに仕上がっていると感じました」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)



