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なぜ彼は売れ続けているのか?七色に輝く俳優・池松壮亮総力特集!(5/5)

今週のクローズアップ

筋金入りのシネフィル

 日本大学藝術学部映画学科監督コース卒業というだけあって、かなりの映画好き。『だれかの木琴』は、池松がかねてから東陽一監督のファンで作品への出演を熱望しており、2014年9月に監督と対面する場が設けられたことから実現した。また、イランの鬼才アミール・ナデリ監督による西島秀俊主演の映画『CUT』(2011)の劇場公開時には一般客として来場し、「映画愛に満ちたすごい作品。100年、200年、ずっとこの先残り続けるステキな作品です。日本でこの映画が生まれて本当によかったと思います」と熱いコメントを寄せている。また、残念ながら2016年4月24日に終了してしまったInstagramでも横浜聡子監督作『りんごのうかの少女』(2013)、鈴木卓爾監督作『楽隊のうさぎ』(2013)、今泉力哉監督作『サッドティー』(2013)、ジャ・ジャンクー監督作『山河ノスタルジア』(2015)など観た映画の感想をつづっていた。

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 2012年には短編映画『灯火』で監督デビュー。テレビドラマ「Q10(キュート)」(2010)で共演した柄本時生とは親交が深く、『灯火』でも共演。その後、「Q10(キュート)」で共演した前田敦子高畑充希らと共に「ブス会」を結成し度々集まっているようで、昨年5月には「ブス会」メンバーでトーク番組「ボクらの時代」(フジテレビ系)への出演が実現した。

飾らない性格

 2014年11月9日に放送された「情熱大陸」(TBS系)では、ひたむきで不器用な池松の人柄が明かされた。無防備に繁華街を歩き、映画『ぼくたちの家族』の舞台挨拶では思いがこみ上げたのかうまく言葉が出てこない一幕もあり、その飾らない性格が印象的だった。「昔からしゃべるのが遅いと言われる」そうで、「本当に理想を言うと何もしゃべりたくない」のだという。激務の合間を縫って趣味の釣りに興じる姿や、撮影スタッフが福岡の自宅を訪れた際には野球に夢中だったころの幼少期、中学時代に合唱コンクールで伴奏する姿(「大地讃頌」)なども映し出され、楽屋に母親や姉ら家族が訪れた際の家族団らんなどプライベートな面にも踏み込んでいる。

 最も印象的だったのが、2014年7月に上演された三浦大輔作・演出の舞台「母に欲す」の稽古中の様子。母の葬儀に間に合わなかった兄(銀杏BOYZ峯田和伸)をなじる場面では「感情のつながりがあまりわからない」と三浦から厳しいダメ出しをされていたが、兄と激しいつかみ合いのケンカをしたすえ号泣するシーンではあまりの迫力に三浦も圧倒され、スタッフ一同静まり返っていた。そして、チケットの値段を気にかけ、値段に見合う演技をせねばならないと自身を鼓舞するストイックさ。最後に「いい役者になりたい、いい作品を残したい、いい人間になりたい」と抱負を語る姿からは、どこまでも役者一筋な池松の全てが集約されているようだった。

 今年11月5日には『続・深夜食堂』が、2017年春には『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』に続き3度目のコンビを組む石井裕也監督の新作『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が公開予定。本作は、最果タヒのベストセラー詩集を実写化するもので、新人の石橋静河と共演する。

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