『スター・ウォーズ』後も注目!アダム・ドライヴァーの軌跡

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Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 2015年からスタートした『スター・ウォーズ』続三部作で悪役を務め、ファンからいろんな意味で愛されたのが、アダム・ドライヴァー演じるカイロ・レンです。完結編となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』も大ヒット中の今、大きな体に朴訥な文化系の雰囲気そのままにカイロを演じきった、アダムの“愛されキャラ”な魅力を振り返ります。(編集部・入倉功一)

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海兵隊から役者へ

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多くの視聴者に愛された「GIRLS/ガールズ」のアダム HBO / Photofest / ゲッティ イメージス

 アダム・ドライヴァーは、1983年11月19日生まれの36歳でアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ出身。高校で演劇を学び、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を受け、18歳でアメリカ海兵隊に入隊しますが、マウンテンバイクの事故で胸骨を負傷し、戦場に赴く前に退役します。

 その後は名門ジュリアード音楽院で演劇を学び2009年に卒業。ブロードウェイやオフブロードウェイで舞台経験を積み、2011年に『J・エドガー』で長編映画デビュー。翌2012年にはドラマシリーズ「GIRLS/ガールズ」に出演します。

 ニューヨークを舞台に夢の途上にある女子の生活をリアルに描いた「GIRLS/ガールズ」に、アダムは主人公の恋人アダム(!)役で出演。彼女に信じられない変態プレイを強要するダメ男を、アダムは、女性への愛情は人一倍な愛すべきキャラクターとして見事に演じ、エミー賞コメディー部門の助演男優賞に3年連続でノミネートされるなどブレイクを果たしました。

監督たちから愛される

 そんなアダムの演技は、多くの名監督たちから愛されています。『J・エドガー』のクリント・イーストウッド監督、『リンカーン』(2012)のスティーヴン・スピルバーグ、『沈黙 -サイレンス-』(2016)のマーティン・スコセッシといった巨匠たちはもちろん、インディペンデント界の精鋭たちともタッグを組んでいます。

 ベネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞した『ハングリー・ハーツ』(2014)のサヴェリオ・コスタンツォ、『パターソン』(2016)のジム・ジャームッシュ、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)のジョエル&イーサン・コーエンなど名監督ばかり。特に『イカとクジラ』などで知られるノア・バームバック作品には『フランシス・ハ』(2012)、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2014)と立て続けに出演しています。

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「作品のサイズは関係ない」Pascal Le Segretain / Getty Images

 むしろ世界的な超大作である『スター・ウォーズ』への出演の方が意外にも思えますが、メジャー、インディーズを問わず、良質なドラマをチョイスしているのがアダム。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)の来日インタビューでは「作品のサイズは自分にとっては関係ないんだ。物語やキャラクターが興味深いものであること、そして、素晴らしい監督たちとどんな作品を作っていくのかということこそが大事なこと」と語っています。

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カイロ・レンも愛されている

 その『スター・ウォーズ』で演じたカイロ・レンは、ハン・ソロとレイアの息子で、かつてはルーク・スカイウォーカーに教えを受けながら、フォースのダークサイドに引かれてしまった複雑なキャラクター。ライトサイドの誘惑を断ち切るために父親を手にかけるなど、彼の選択はシリーズを通してファンに衝撃を与えました。

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なんだかんだ言ってもカイロ・レンは愛されている Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 新たな三部作の評価をめぐっては、賛否両論が交わされてきましたが、アダムの演じるカイロが大勢のファンに愛されていることは間違いありません。『スカイウォーカーの夜明け』公開時には、シリーズにおける彼の功績をたたえようと、アダムが主宰する非営利団体AITAFへの募金を目的としたクラウドファンディングをファンが立ち上げ、見事に目標金額を達成しました。AITAFは、現役軍人、退役軍人、ミリタリーサービス従事者とアートをつなぐことを目標とする、元海兵隊員であるアダムならではの取り組みです。

 カイロ・レンをめぐっては、2017年に『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開された際には、上半身裸でハイウエストなパンツをはいたカイロのスタイルをマネする「カイロ・レンチャレンジ」もSNSで爆発的に広まりました。きっかけは、カイロの真似をしたミュージシャンのジョン・メイヤーのInstagramとされていますが、アダムの愛され気質があってこそのブームだったといえるでしょう。

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スター・ウォーズ後も楽しみ!

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カンヌでグランプリを獲った『ブラック・クランズマン』 Focus Features / Photofest / ゲッティ イメージス

 そんなアダムですが、『スター・ウォーズ』シリーズに出演している間も堅実なキャリアを歩んでいます。スティーヴン・ソダーバーグ監督の『ローガン・ラッキー』(2017)では、戦争で片腕を失った元軍人でどこか頼りないバーテンダーを演じ、ここでも愛されキャラぶりを発揮。スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』(2018)では、白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入する黒人刑事の相棒を演じてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。

 そして今年度は、バームバック監督と再びタッグを組んだNetflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』がアカデミー賞レースを席巻中。アダムは、スカーレット・ヨハンソン演じる妻との離婚協議に悩む監督兼脚本家を演じています。こだわりの強い芸術家肌のキャラクターなのに嫌味がなく、家族の問題に悩む等身大の父親として共感を呼んでしまうあたりがアダムならではです。

 そして1月24日からはテリー・ギリアムのドン・キホーテが日本で劇場公開されます。本作は、鬼才テリー・ギリアム監督が構想に30年をかけ、並居るスターが主演に名が挙がり、ジャン・ロシュフォールジョニー・デップを起用して撮影に入るもキャンセルされるなど、実に9回も企画が頓挫したという“呪われた企画”。アダムは、仕事への意欲を失ったCM監督トビーを演じています。

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『ドン・キホーテを殺した男』のアダム (C) 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mato a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

 トビーは、彼が学生時代にスペインで撮った映画『ドン・キホーテを殺した男』に出演したことで、自分を騎士だと思い込む老人と再会し、不思議な旅に連れ出されることに。不条理で説明不能な冒険に巻き込まれ、再び愛されぶりを発揮するアダムの姿は必見です。

 さらに、ジャームッシュ監督と再タッグを組んだゾンビ映画『ザ・デッド・ドント・ダイ(原題) / The Dead Don't Die』では、ちょっと頼りないメガネ姿の保安官代理役で出演。そのほか、リドリー・スコット監督の『ザ・ラスト・デュエル(原題) / The Last Duel』、フランスの鬼才レオス・カラックス監督の『アネット(原題) / Annette』など期待作への出演が報じられているアダム。今後もファンから愛される俳優として、インディーズやメジャーの垣根なくキャリアを築いてほしいですね!

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