映画とテレビで活躍するハリウッド女性監督がアツい!

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 女性の進出が最も遅れている分野の一つとされてきた監督業。まだまだ十分には程遠いとはいえ、#MeTooや#TimesUp運動をきっかけとし、またフランシス・マクドーマンドが2017年のアカデミー賞での受賞スピーチで語った「インクルージョン・ライダー」(多様性を受け入れる付帯条項)がスタンダードにもなった現在では、以前に比べれば女性監督の起用も目に付くようになった。そうした人材の中にはテレビ作品で経験を積んだり、テレビシリーズで大きく飛躍した才能が少なくない。(文・今 祥枝)

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さまざまな分野を開拓してきた女性監督

プロミシング・ヤング・ウーマン
初の長編監督作となったエメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』より - (C) 2020 PROMISING WOMAN, LLC All Rights Reserved.

 例えば今年のアカデミー賞で監督賞は5人のうち2人が女性だった。そのうちの一人でプロミシング・ヤング・ウーマン』(7月16日公開)で脚本賞を受賞したエメラルド・フェネルは、人気ドラマ「キリング・イヴ/Killing Eve」(2018~)のシーズン2をショーランナー(製作総責任者)として成功に導いたことでも知られる。

レジーナ・キング
オスカー俳優でもあるレジーナ・キング監督 - Kevin Winter / Getty Images

 また3部門でアカデミー賞候補になったあの夜、マイアミで』の監督レジーナ・キングは、言わずとしれたオスカー俳優。1985年の「227(原題)」でテレビデビューを果たして以来、長いキャリアを誇るが、近年は「スキャンダル 託された秘密」「THIS IS US/ディス・イズ・アス」「グッド・ドクター 名医の条件」などの大ヒットシリーズのエピソード監督を地道に手掛けて、監督としての経験を積んできた。

 ほかにもこの分野を開拓してきた女性監督は多く存在するが、映画とテレビ・配信の作品のクオリティーにも差がなくなっていることから、フォーマットにこだわらずに双方を行き来しながら良い仕事を選ぶ人は増える傾向にある。

あの夜、マイアミで
レジーナ・キング監督『あの夜、マイアミで』はAmazon Prime Videoにて配信中

 また近年はテレビでは特に8~10話程度で完結するリミテッドシリーズなどで、一人の監督が全話を手掛けるパターンが増えている。「全話を1本の映画のように撮る」という意味合いが強く名前の通った映画監督(母数の比率から言っても男性が多いのは必然)が起用されることも多い。

スサンネ・ビア
アカデミー賞外国語映画賞受賞をはじめ多くの賞を獲得しているスサンネ・ビア - Amy Sussman / Getty Images

 女性監督としては「ナイト・マネジャー」(2016)や「フレイザー家の秘密」(2020)のデンマーク出身のスサンネ・ビアが思い浮かぶ。前者ではプライムタイム・エミー賞を受賞しているが、より後者の方に『しあわせな孤独』(2002)や『アフター・ウェディング』(2006)といった初期の代表作を思わせる作風が感じられる。「フレイザー家の秘密」の主演と製作総指揮を兼ねるニコール・キッドマンは、「ビッグ・リトル・ライズ」(2017~2019)以降、女性監督の作品に出演することを有言実行している

ザ・モーニングショー
「ER 緊急救命室」『ディープ・インパクト』などのミミ・レダーが監督の一人として制作した「ザ・モーニングショー」キービジュアル

 またこの分野にとって常に先駆者であるミミ・レダーが、Apple TV+のオリジナルシリーズ「ザ・モーニングショー」(2019~)で監督の一人として、またプロデューサーとして果たした重要な役割にも触れておきたい。1997年にドリームワークスの映画『ピースメーカー』を監督したレダーは、1990年代にドラマ「チャイナ・ビーチ」(1988~1991)や「ER 緊急救命室」(1994~2009)というモンスターヒット番組で早くから頭角を表し、後者で監督、プロデューサーとして2つのプライムタイム・エミー賞を受賞。「ザ・モーニングショー」のシーズン1最終話の監督を務めて計10個目の同賞の候補となるなど、その優れた力量は疑いようもない。

 「ザ・モーニングショー」では、#Metoo運動の余波と思われる予定外の降板劇などによって、この規模のプロジェクトを手掛けるのは初であるケリー・エーリンがショーランナーに格上げとなった。同作では主演のリース・ウィザースプーンジェニファー・アニストンと共に製作総指揮を務めるレダーは、急遽仕切り直しとなり混乱した現場においてリーダーシップを発揮。

 20年以上にわたる映画とテレビのキャリア、スケールの大きな現場での経験を生かして、エーリンを支え、女性主体の番組作りを導く原動力となった。同作を縁の下で支えたのはレダーの功績なくして、「ザ・モーニングショー」の成功はあり得なかったと言っても過言ではないだろう。

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