ADVERTISEMENT

シネマトゥデイが選ぶ映画ベスト20(2021年版)

 2021年1月1日からの1年間に劇場、そしてストリーミングサービスで日本初公開された全ての映画から、シネマトゥデイ編集部がベスト20作品を決定! ストーリー、キャスト、演技、映像、社会性、エンターテインメント性、観客動員数、話題性などあらゆるポイントを踏まえて議論し、今年を代表する20作品を選び出しました。

第1位『すばらしき世界』

 刑期を終えたかつて殺人を犯した男の出所後の苦難を描く人間ドラマ。道を誤った元ヤクザの前に障害が現れるたびに、タイトルが重い響きを持つ。共通の主題を扱う『うなぎ』に出演した役所広司の演技により、主人公の言動が微笑ましく感じられると同時に、怪物的な顔ものぞかせることで道を踏み外した主人公への安易な共感を阻む。役所が演じる元ヤクザの冷徹さと人間らしい温かみのある感情の動きが絶妙な緩急となり、心を激しく揺さぶられる。日本の社会システムや、私たちの中にある排他的な言動など、今そこにある社会が抱える課題への警鐘を鳴らす。作品情報はコチラ>>

ADVERTISEMENT

第2位『ファーザー』

 名優アンソニー・ホプキンスが史上最年長でアカデミー賞主演男優賞を手にしたヒューマンドラマ。世界各国で上演された戯曲を作者のフロリアン・ゼレール自ら映画化し、老いて認知症が悪化していく父親と、葛藤する娘の姿が、断片的なシーンのつなぎ合わせで描かれる。特筆すべきは、画期的な映像表現と、ホプキンスの快演。記憶や時間感覚が混乱する父親の視点から映し出すことで、戸惑いと不安や孤独が視覚的にダイレクトに伝わってくる。繊細な心の機微を表したホプキンスの演技は、神業としか言いようがない。作品情報はコチラ>>

第3位『フリー・ガイ』

 自分がゲームのモブキャラだと知ってしまった主人公がプログラムを無視していい人すぎるヒーローとして立ち上がるさまを描いた本作は、コメディー、アクション、ロマンス、そして映画ファンを大興奮させるサプライズの盛り込み方が巧み。『デッドプール』のライアン・レイノルズと『ナイト ミュージアム』のショーン・レヴィ監督は、現代社会にはびこる冷笑主義へのアンチテーゼとして、主人公が体現する楽観主義を祝福している。ハリウッドにおいて今や珍しいものとなったオリジナル脚本の大作にして、今年の良作エンタメ映画の筆頭だ。 作品情報はコチラ>>

第4位『ドライブ・マイ・カー』

 村上春樹の短編小説を、世界から注目を浴びる濱口竜介監督が映画化。妻を失った主人公が、目を背けてきた妻との関係に向き合い、再生へと向かう姿を描く。西島秀俊三浦透子岡田将生らキャストの魅力を濱口監督が最大限に引き出しており、小説の行間を想像させるかのような空気が映像にただよう。生きることや愛することの苦しさや楽しさ、さまざまな形のコミュニケーションの描かれ方は、コロナ禍だからこそ響く。第74回カンヌ国際映画祭の脚本賞をはじめ、海外でさまざまな賞を席巻中なのも納得。作品情報はコチラ>>

ADVERTISEMENT

第5位『偶然と想像』

 「偶然」をテーマにした3つの物語から成る本作は、オムニバス作品でありながら、第71回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリを受賞する快挙を達成した。いわゆる映画的な派手さはないが、日常の延長のような出来事を描きながら、観客をどんどん引き込んでいく脚本が秀逸。クスッと笑いながら楽しむことができる奇妙な偶然の物語は、想像力を刺激する知的な展開が新奇な驚きをもたらす。日本映画界を引っ張る濱口竜介監督ならではの演出や新たな試みも詰まっており、『ドライブ・マイ・カー』とは違った濱口監督の魅力を感じられる。作品情報はコチラ>>

第6位『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を再始動させた新劇場版シリーズの完結編。エヴァに搭乗する碇シンジたちが、謎の敵・使徒と戦うさまを描く。庵野秀明総監督が得意とする実写映画のスタイルを織り交ぜたアニメーション映像は圧倒的なスケール感で、前作から8年以上待った甲斐があるとファンに満足感を与える。「エヴァ」26年の歴史に終止符を打つ脚本の完成度も高く、「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」というキャッチコピーに相応しい華々しいラストを迎えた。興行収入100億円を突破するなど、今年のアニメ映画を象徴する力作だ。作品情報はコチラ>>

第7位『花束みたいな恋をした』

 今年、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」も話題となった人気脚本家・坂元裕二によるオリジナルラブストーリー。終電を逃して偶然出会い、恋に落ちた男女の5年間を映し出す。恋の始まりから終わりまでを丁寧に掬い取っていく物語が切なくも非常にリアルで、多くの観客の共感を呼んだ。等身大のカップルにふんした菅田将暉有村架純の繊細な演技もピッタリと映画の世界観にマッチ。日本映画界を引っ張る若手2人のパワーで、多くの若者を劇場に呼び寄せ、興行収入38億円突破の大ヒットを記録し、今年を代表する恋愛映画となった。作品情報はコチラ>>

ADVERTISEMENT

第8位『空白』

 スーパーで万引きしようとした女子中学生が、店長に追い掛けられて道に飛び出し、車にひかれて命を落としたことから始まる人間ドラマ。娘の無実を信じて疑わず、暴走していく父親役を古田新太、彼に執拗なまでに追い詰められる店長役を松坂桃李が迫真の演技で見せる。彼らを取り巻く人間模様まで丁寧に描かれ、誰もが劇中の誰かと自分を置き換えてしまうほど生々しい群像劇が繰り広げられる。胸をえぐられるような重さだが、それだけでない余韻を残す。『ヒメアノ~ル』『BLUE/ブルー』の吉田恵輔監督オリジナル脚本による力作だ。作品情報はコチラ>>

第9位『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』

 和月伸宏の人気コミックを主演・佐藤健で実写化したシリーズの最終章2部作。『The Final』では緋村剣心と最凶の敵・雪代縁の激突、『The Beginning』では物語の原点である剣心の過去が描かれた。シリーズの集大成として“るろ剣アクション”はさらなる進化を遂げ、ファン待望の2作同時期公開で、コロナ禍に苦しむ映画館を元気づけた。圧倒的アクション、エモーショナルな人物描写などそれぞれ秀でた魅力があり、『The Final』が先に公開された後に『The Beginning』で完結という仕掛けもお見事。作品情報はコチラ>>

ADVERTISEMENT

第10位『由宇子の天秤』

 女子高生いじめ自殺事件の真相に迫るドキュメンタリー監督が、父親に告げられた衝撃的な事実をきっかけに、真実と正義の間で揺れ動く人間ドラマ。身内の絡む事件に直面した主人公・由宇子の抱える葛藤は、SNS全盛の現代において、当事者ではない者が「正義」を主張し他者を糾弾することの是非を問いかける。真実が二転三転していくスリリングな物語は、153分の長さを全く感じさせない。そのエンターテインメント性の高さと、音楽を排して観客の感情を誘導することを避けた、春本雄二郎監督の忍耐強い演出にも評価が集まった。作品情報はコチラ>>

第11位『ノマドランド』

 アカデミー賞作品賞・監督賞・主演女優賞など数々の映画賞に輝き、世界で絶賛されたロードムービー。夫を亡くし、住む家も失った女性が車上生活をしながら旅する姿を通して、テーマである「ノマド(遊牧民)」の人生にスポットを当てていく。実在のノマドたちをキャストに起用したことで深まるリアリティーだけでなく、その場に溶け込むフランシス・マクドーマンドの存在感が本作をエンターテインメントとして魅力溢れる作品にしている。現実の厳しさを描写する一方で、雄大な自然と人間の共存をまばゆいほどの映像美で魅せる無類の名画だ。作品情報はコチラ>>

第12位『DUNE/デューン 砂の惑星』

 鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、作家フランク・ハーバートの傑作小説を映画化したSF巨編。希少なスパイスの産地である砂の惑星を舞台に、全宇宙の運命を左右する覇権争いが勃発する。緻密にデザインされた衣装や宇宙船は知的好奇心を刺激し、作品の象徴であるサンドワームの造形には目を奪われる。原作を踏襲しつつ、現代に沿ったアレンジを加えて唯一無二の世界観を確立させたヴィルヌーヴ監督の演出手腕は称賛に値する。没入感たっぷりの映像体験を提供した本作は2021年を象徴する一本であり、SF映画史に新たな1ページを刻んだ。作品情報はコチラ>>

ADVERTISEMENT

第13位『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

 15年にわたってジェームズ・ボンドを演じてきたダニエル・クレイグ最後のシリーズ出演作。土地の高低差を使ったバイクシーンなどド派手なアクションに始まり、今までのセクシーなボンドガールを踏襲しつつも現代的な魅力を加えた女性エージェントの活躍は大きな反響を呼んだ。賛否はあったが、新たなボンド像を確立してきたダニエルの花道にふさわしいフィナーレは、これ以上ないほど壮大でエモーショナル。幾度の公開延期に見舞われながらも、コロナ禍において世界で2番目にヒットしたハリウッド映画となり(※1番目は日本では来年公開の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』)、映画館も大いに盛り上げた。作品情報はコチラ>>

第14位『17歳の瞳に映る世界』

 物語は、望まぬ妊娠をした17歳の少女がいとこに付き添われて中絶手術を受けるためNYへ向かう、というシンプルな筋書き。特に大きな事件が起こるわけではないにもかかわらず、若さゆえの未熟さからその道のりは険しく、終始緊張感は途切れない。多くを語らない二人から、社会の中での女性の生きづらさがひしひしと伝わる。青春、シスターフッド、ロードムービーと多彩な要素を兼ね備えながら全ての女性が背負う普遍的な問題も提起している。歌声も披露したシドニー・フラニガン、スピルバーグ版『ウエスト・サイド・ストーリー』も控えるタリア・ライダー、2人の新星が鮮烈に輝く。作品情報はコチラ>>

ADVERTISEMENT

第15位『孤狼の血 LEVEL2』

 柚月裕子の小説を映画化した前作の続編を、オリジナル脚本で勝負した本作。名優・役所広司から主演を継いだ松坂桃李の重責は、役所が演じたベテラン刑事の遺志を継ぐ日岡とも重なる。そこへ鈴木亮平演じる悪魔のような組長・上林が登場し、爽やかな好青年というパブリックイメージを一新する悪役ぶりが観客の度肝を抜いた。日岡と上林が、立場は異なれどそれぞれ組織に抗う表裏一体の関係にある点は、前作からの「可視化しない善悪」というテーマを象徴するもの。コロナ禍での撮影を乗り切ったチームの熱量がヒットに結び付き、さらなる続編製作が決定した。作品情報はコチラ>>

第16位『ラストナイト・イン・ソーホー』

 異なる時代のロンドンを生きる二人の女性が主人公のサイコスリラー。スウィンギング・ロンドンとして知られる1960年代文化の魅力が余すことなく活写されるとともに、物語世界とリンクした音楽の使い方や、鏡を多用したスタイリッシュな演出にはエドガー・ライト監督のセンスが光る。一方、ショービズ界における女性からの搾取という暗い側面が正面から扱われることで、#MeTooやシスターフッドなどの現代のムーヴメントともシンクロする。今をときめく若き才能と、60年代を象徴する名優の共演も心憎いキャスティングだ。作品情報はコチラ>>

第17位『あのこは貴族』

 都会の裕福な家庭で育った女性と、地方から上京して自力で生きる女性の人生が交錯する、山内マリコの小説を基にした作品。恋愛や結婚に縛られず自力で生き抜く女性を描く。社会における階層や女性の連帯といった社会的テーマに挑みつつ、しっかりエンターテインメント作品として仕上げた岨手由貴子監督の手腕が光る。異なる階層を生きるヒロインを演じた門脇麦水原希子は、役者のイメージから逆の配役を想定しそうなところを意表を突くキャスティングにしたのも効果的。本当の幸せのあり方について、常識や先入観を取り払う考えさせる一本だ。作品情報はコチラ>>

ADVERTISEMENT

第18位『東京リベンジャーズ』

 アニメ化もされた人気漫画を映画化した本作は、現時点で2021年の実写映画で興行収入ナンバーワンとスマッシュヒットを記録。どん底の生活を送る主人公が、不良だった高校時代にタイムリープして過去へのリベンジに挑む。北村匠海が情けなくも諦めない主人公を熱演したほか、山田裕貴杉野遥亮鈴木伸之眞栄田郷敦清水尋也磯村勇斗間宮祥太朗吉沢亮ら人気若手俳優たちが集結。彼らの底知れない勢いと熱量はスクリーンから溢れんばかりで、原作でも人気のドラケンとマイキーを演じた山田と吉沢は多くの観客の心を掴んだ。作品情報はコチラ>>

第19位『JUNK HEAD』

 地上が汚染されたディストピアな未来を舞台に、廃墟と化した地下世界で繰り広げられる、摩訶不思議なクリーチャーたちの冒険を描くストップモーションアニメ。内装業が本職の堀貴秀監督が、独学で制作に着手し、約7年を費やしてほぼ一人で作り上げた、強靭な創作意欲に圧倒される。サイバーパンク感あふれる圧巻の美術、不気味でかわいい個性的な生き物たち、緻密なアニメーション、壮大な世界観を一人の作家が生み出したという事実に、あらためて創作の可能性を実感させられる。堀監督による、3部作構想の実現に期待する声も多い。作品情報はコチラ>>

第20位『シャン・チー/テン・リングスの伝説』

 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新星シャン・チーが父親との確執を乗り越えて、自らの真の姿と向き合う物語。今は亡きブラッド・アランによる武術を取り入れたカンフーアクションは、ダイナミックさと優美さを兼ね備えた新しいスタイルを確立した。家族の物語としても見応えがあり、特に、妻を亡くして自暴自棄になってしまう父親役のトニー・レオンの存在感が光る。しかしなんといっても、アジア系のマーベルヒーローが誕生した意義は大きく、エンターテインメントの表現における多様性の高まりを感じる。作品情報はコチラ>>

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア

楽天市場

ADVERTISEMENT