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【ネタバレ解説】「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」:容赦なき暴力!パニッシャーの真髄ここにあり

 シーズン2が完結したマーベルドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」に続き、“処刑者”パニッシャーの活躍を描いた単発ドラマ「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」がディズニープラスで日米同時配信された。序盤から、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のレベルを超えた、容赦なきバイオレンスアクションが炸裂! ようやく『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』への準備は整った。(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」をまだ観ていない方はご注意ください。

パニッシャーの真髄をギュッと濃縮

 パニッシャー/フランク・キャッスル(ジョン・バーンサル)とは何者か。その答が、この1作に凝縮されている。戦場で受けた心の傷に今も苦悩する男。家族を殺された復讐を遂行し、しかし復讐が何も解決しないことを知った男。それでもパニッシャー="犯罪者に罰を与える処刑者"であり続けることを選択した男である。

 さらにパニッシャーは、有無を言わさぬ圧倒的な暴力を体現する存在でもある。そのため、ドラマ後半は、パニッシャーと無数の無法者たちによる1対無数の激闘が、これでもかとばかりの長さで持続する。しかも、パニッシャーの世界観における暴力は、身体的な苦痛を伴う。素手で殴る。棒で殴打して、骨を折る。尖った刃物で何度も突き刺す。人間の身体を盾にする。高所から落下する。スーパーパワーを持たない人間たちの、生身の暴力が生々しく迫る。

 こうして、この1本を見ておけば、パニッシャーの精神と暴力が理解できるようになっている。ドラマの構成に変則的な要素がなく、豪速球の直球なのも、このキャラクターに似合う。

 本作にパニッシャーの真髄が凝縮できたのは、Netflixドラマ「Marvel デアデビル」「Marvel パニッシャー」で同キャラクターを演じ、この人物を熟知するジョン・バーンサルが、本作の製作総指揮に参加し、脚本にも参加しているからだろう。

 監督&共同脚本のレイナルド・マーカス・グリーンは、バーンサルと『ドリームプラン』(2021)、ドラマ「WE OWN THIS CITY 不正と汚職が支配する街」でも組んでいる。伝記映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』でもスーパースターでもある主人公の、生身人間としての感情を生々しく描いていた監督だ。

 思い起こせば、バーンサルは2010年放送開始の人気ドラマ「ウォーキング・デッド」のシーズン1で、主人公の親友で後に対決するシェーン役でブレイクし、『フォードvsフェラーリ』『ザ・コンサルタント』など大作映画にも出演しているが、本シリーズのパニッシャー役は適役。パニッシャーが常に抱える苦悩の重さは、彼の演技力があってこそだと痛感させる。

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懐かしい顔が再結集!総集編的な1本

 また本作は、パニッシャーがドラマシリーズで歩んできた道の総集編的な要素もある。懐かしい顔ぶれが続々登場し、彼がこれまで歩んできた道を、振り返らせるのだ。

 まず、犯罪ファミリーのグヌッチ一家については、「Marvel パニッシャー」シーズン1第1話「午前3時」にトニー・グヌッチ(ジェイムズ・J・ロレンツォ)が登場。彼以外の家族は本作が初登場だが、ドラマシリーズの原点に立ち戻るという意味があるのではないか。

 ちなみにこのグヌッチ一族と、本作で実写版初登場のマ・グヌッチ(ジュディス・ライトは、コミックにも登場している。初登場は「Punisher #4」(2000)。ニューヨークを支配する犯罪組織で、マ・グヌッチはコミックでは組織のボスであり、息子たちを殺されたことで傭兵を雇う。本作の舞台である、ニューヨークの架空の地域リトル・シシリーや、グヌッチ・レストランもこのコミックに登場する。

 そして、パニッシャーの物語において重要な彼の失った家族たちが登場。妻マリア・キャッスルは「Marvel デアデビル」シーズン2から登場、同作ではローレン・グレイ・ワイナーが演じたが、「パニッシャー」シーズン1からケリー・バレットに交代。本作のマリアはバレットが演じている。

 また、娘リサ・キャッスル(ニコレット・ピエリーニ)も「パニッシャー」シーズン1から登場しているが、今回はキャスティングにも注目。本作で、パニッシャーが墓場で見るリサの幻影を演じたのは、バーンサルの実の娘であるアディ・バーンサルだ。この父娘は映画『小さな修理屋』(2021)でも共演している。

 さらに、本作で幼いリサが読んでいる絵本「ひとつ ふたつ ペニー・アンド・ダイム」は「Marvel デアデビル」シーズン2第4話「ペニー・アンド・ダイム」のパニッシャーのセリフに登場する。彼は敵を撃つ時にこの言葉を呟き、デアデビル(チャーリー・コックス)に意味を問われて、娘の好きな絵本だったと返答。娘に明日の晩に読むと約束したが、娘にはその明日が来なかったと語っていた。

 同じ第4話でパニッシャーが見つめていた、夜のセントラルパークのメリーゴーランドが、本作の彼の見る悪夢に何度も登場する。この場所で彼の家族が殺された出来事は「Marvel パニッシャー」シーズン1第13話「メメント・モリ」で描かれた。

 また、パニッシャーの友人たちも登場。戦友カーティス・ホイル(ジェイソン・R・ムーアは「Marvel パニッシャー」シーズン1~2の主要人物で、コミックにも登場する。

 サプライズは、パニッシャーの幻影に「デアデビル:ボーン・アゲイン」からデアデビルの恋人カレン・ペイジ(デボラ・アン・ウォールが現れたこと。彼女は「Marvel デアデビル」シーズン2後半でパニッシャーと心を通わせ、信頼関係を築いた。彼はそのことを今も大切にしているようだ。

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そして『スパイダーマン』へ…

 「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」では、他のマーベル作品との関係も見えてきた。パニッシャーが「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2でデアデビルたちと行動を共にしなかったのは、彼がリトル・シシリーにいたからのようだ。

 また、本作ラストシーンにおける短髪のヘアスタイル&ドクロマークのTシャツは、新作映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(7月31日日米同時公開)の予告編の彼と同じ。彼がスパイダーマンに出会うのは、本作のすぐ後の出来事なのだろうか。そこにどんな事態が待っていても問題ない。本作のラスト時点で、パニッシャーは復讐心からではなく、悪人たちを罰し続けることを決意した存在になっている。パニッシャーは、新たな物語に進む準備が出来ている。

「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」ディズニープラスにて独占配信中

(c) 2026 Marvel

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