入口は気鋭SFサスペンス的だけど、出口では別の感慨が…

2021年9月15日 斉藤 博昭 レミニセンス ★★★★★ ★★★★★

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レミニセンス

水没都市というシュールなビジュアルだが、ここ数年の世界の異常気象からすれば、日常と地続きな感触。一応、舞台は近未来っぽいが、スマホやPCの使用シーンが極力控えめで、主人公が使う記憶潜入装置もレトロなデザイン。謎めいたヒロインが歌う名曲「Where or When」の歌詞のように、時間と場所の概念が消えていく不思議感覚のSFサスペンス。とは言っても、兄のように先鋭的な作りではなく、ノーラン弟とその妻の作劇は、オーソドックスな人の温もりを追求している印象。
美しい記憶を蘇らせ、過去に浸るのも人間の欲望。つねに先を見て思い出を振り返らないのも人生。観終わった後、静かに心がかき乱される人も多いのでは?

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとしてさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:4K修復で、あまりに美しい映像になった「ウルトラセブン」。毎週日曜朝はリアルタイムのツッコミを読みながら見るのが楽しすぎ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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