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ありのままの自分を愛せなかった男の愚かさが怖くも哀れ

2015年2月18日 山縣みどり フォックスキャッチャー ★★★★★ ★★★★★

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フォックスキャッチャー

『アメリカン・スナイパー』の主人公は父親から「この世には3種類の人間がいる。狼と羊と番人だ」と言われ、愛国心あふれる番人となる。エクストリームな論理だが、本作の主人公ジョンは自分の“永遠の羊”ぶりを隠すべく虚勢を張るから始末が悪い。男の中の男と誰もが認めるデイヴの弟マークがジョンの妄言に心酔したことが全ての発端で、いびつな三角関係を形成させつつジョンの心の闇をあぶり出すベネット・ミラー監督の演出が心にしんしんと染みる。ありのままの自分を愛せなかった男の愚かさは怖く、哀れだ。脚本はもちろん、スティーブ・カレルら役者陣が披露する複雑な心理演技、緩急のある編集と実に見応えがある。

山縣みどり

山縣みどり

略歴:雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況:最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

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