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差別される者の実感に、黒い笑いを交えた恐怖映画の新機軸。

2017年10月28日 清水 節 ゲット・アウト ★★★★★ ★★★★★

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ゲット・アウト

 相手はゴーストやクリーチャーじゃない。恐怖映画の新機軸だ。白人家庭に招かれた黒人青年の視点を通し、表面的にはリベラルを装う人々の心理が、薄皮を剥ぐようにして明らかになっていく。偏った理念に基づく、許されざる異常な行動。しかし絵空事とは思えない。黒人コメディアンのジョーダン・ピール監督が、経験に基づきダークな笑いを交え、切れ味鋭く社会批判を繰り出す。被差別者が味わう陰湿な空気をVRよろしく体感させ、エンターテインメントにまで昇華させている。分断が深まるアメリカだが、こうした形で表現が行われ、受け入れられることは見事だ。日本にも潜む同質のテーマ。このタッチのフォロワーは出現するだろうか。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家/クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」出演●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書: 「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●映像制作: WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞(芸術番組部門)、ギャラクシー賞(奨励賞)、民放連最優秀賞(テレビ教養番組部門)受賞

近況:●「シン・ウルトラマン」劇場パンフ執筆●ほぼ日の學校「ほぼ初めての人のためのウルトラマン学」講師●「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」劇場パンフ取材執筆●特別版プログラム「るろうに剣心 X EDITION」取材執筆●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●「TSUBURAYA IMAGINATION」編集執筆

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