シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

エリート層や市民社会の風刺劇としてびんびんに尖った一級品

  • 『フレンチアルプスで起きたこと』の俊英監督オストルンドが、またもや巧みなストーリーテリングで「問い」を増幅させ、観客に突き返す傑作を放った。セレブキュレーターが二つの浅はかな提案に乗る。脅迫状によるスリ犯人の特定、炎上商法。それは彼の立場を脅かす災難として跳ね返るが、同時に展示アート「ザ・スクエア」が体現する大きな理想や建前の根っ子からの転覆でもある。

    「寛容」や「平和」を謳いつつ、本当の狂気や野蛮さ、異物は反射的に排除してしまう現代社会の欺瞞や虚飾。その「剥がし方」に独特の芸があるのだ。特にネットでバズること、安手のセンセーショナリズムは、芸術や表現から政治の問題へと敷衍できるだろう。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、12月は『パッドマン 5億人の女性を救った男』『私は、マリア・カラス』『それだけが、僕の世界』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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