圧巻の179分

2020年6月27日 中山 治美 海辺の映画館-キネマの玉手箱 ★★★★★ ★★★★★

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海辺の映画館-キネマの玉手箱

『この空の花火ー長岡花火物語』から始まった戦争三部作もパワフルだったが、それにも増してのカット数と情報量、そして戦争の悲惨さを後世に伝えねばならぬという切なる思いが溢れ出ていて、ただ、ただ圧倒される。しかも物語は幕末まで遡り日本人同士が斬り合っていた現実を突きつけ、さらに戦争の相手が他国となっても圧倒的な権力者が市民を無碍に殺戮し、女性を辱めていたという味方同士が傷つけあっていた史実を描く。劇中「映画は歴史を知る最先端のタイムマシン」というセリフがあるが、加害の歴史も学びなさいという大林監督の声が聞こえてくるかのよう。斬新な映像表現も含めて、これは大林監督からの映画版”最期の講義”である。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。GISELe、日本映画navi、goo映画、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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