のんびりと、美しく、少しだけやるせない「理想の終活」

2020年8月8日 斉藤 博昭 ポルトガル、夏の終わり ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ポルトガル、夏の終わり

このところ「怪女」の役がやたら目立つイザベル・ユペールが、本来のエレガントなマダムという持ち味をフルに生かし、わずか一日の物語なのに、派手に衣装も替え、プールで泳ぎ、ピアノやダンスも披露。演じるフランキーの職業が俳優なので、どうしたって素顔も重なり…と、ユペール様を愛でる映画となった。三世代の家族関係がなかなか複雑で、元夫は同性への愛を自覚したりと、人種、セクシュアリティの多様性を意識したドラマがじつに今っぽい。
劇的な瞬間は限定的だが観ていて飽きないのは、世界遺産の「ふれあい街歩き」の側面もあるから。そして監督が「小津安二郎の世界を目指した」と語ったように、流れる時間がつねに心地よいから。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:LAの『フェアウェル』ルル・ワン監督、ロンドンの『カセットテープ・ダイアリーズ』グリンダ・チャーダ監督に、Skypeインタビュー。ともに外出規制などある中、前向きに明るく話してくれて、一刻も早い日常生活の復活を祈るのみ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

斉藤 博昭さんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]