デル・トロらしさは確実に見られる

監督はゼメキスだが、「シェイプ・オブ・ウォーター」「スケアリーストーリーズ 怖い本」に続き、アメリカの60年代をディテールまで美しく描写したところに、プロデューサー兼脚本家を務めたギレルモ・デル・トロらしさを見る。オクタヴィア・スペンサーが主要なキャラクターで登場するのも、(家族向けだからかなり抑えられているが)怖さがあるのも同様。そんなふうに、ビジュアル面では楽しめるが、映画の最初で語られる、祖母と孫の心のつながりの部分が、アクションやCGIが満載になる後半、少し薄れてくるのが残念。キュアロンも製作にかかわっているのだし、もっとハートがたっぷりの映画になってもよかったと思う。