ガーウィグ、キム・ボラ、岨手由貴子

2021年2月22日 森 直人 あのこは貴族 ★★★★★ ★★★★★

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あのこは貴族

素晴らしい出来! 山内マリコの傑作小説を豊かな映画空間へと昇華させた岨手由貴子(83年生)の新作長編は、同世代であるグレタ・ガーウィグの諸作(ひとつ挙げるなら脚本・主演作『フランシス・ハ』か)や、キム・ボラ『はちどり』等と響き合うもの。階層や性差、世代間などの衝突から、分断ではなく共生の新しい可能性を見据える。

門脇麦×水原希子という意表を突いたキャスティングが最高で、固有性と入れ替え可能性が絶妙なバランスで両立。ミレニアル世代の『東京ガールズブラボー』といった印象もあり。「結婚」を核にすると、岨手の前作『グッド・ストライプス』とは同軸反転の趣で、日常生活に潜む政治意識は確実に連続している。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。3月6日より、岨手由貴子監督(『あのこは貴族』)の回を配信中。ほか、今泉力哉監督&冨永昌敬監督(脚本/『あの頃。』)、山田篤宏監督&若葉竜也さん(『AWAKE』。SYOさんとのダブルMC)、片山慎三監督(『そこにいた男』)、井筒和幸監督(『無頼』)、内山拓也監督(『佐々木、イン、マイマイン』)、二宮健監督(『とんかつDJアゲ太郎』)、佐藤快磨監督(『泣く子はいねぇが』)、渡辺紘文監督&雄司さん(大田原愚豚舎の世界Vol.2)、黒沢清監督(『スパイの妻』。月永理絵さんとのダブルMC)、原一男監督&島野千尋プロデューサー(『れいわ一揆』)、行定勲監督 feat.東紗友美さん(『窮鼠はチーズの夢を見る』)、足立紳監督(『喜劇 愛妻物語』)、荒木伸二監督 feat.SYOさん(『人数の町』)、城定秀夫監督&平井珠生さん(『アルプススタンドのはしの方』)、田中圭監督(『島にて』)、内藤瑛亮監督(『許された子どもたち』)、諏訪敦彦監督(『風の電話』)、想田和弘監督(『精神0』)、深田晃司監督(『本気のしるし』)、豊島圭介監督(『三島由起夫vs東大全共闘』)、入江悠監督(『AI崩壊』)、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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