新たなアクション親父が誕生?

愛する家族に危険が及んだ場合、家長はどうすべきか? 『96時間』の主人公のように腕に覚えアリだったらいいなと妄想する人は少なくなく、本作もそのファンタジーを叶えるアクションだ。ただし主人公が平凡に見えるというのがポイント。判子で押したような人生を送るハッチはある事件をきっかけに隠していたスキルと欲望を一気に爆発させ、雪だるま式に危険が膨らんでしまう。『ジョン・ウィック』脚本家らしい流れで、クライマックスの乱闘シーンは荘厳なオペラ調。コメディ演技が得意なB・オデンカークが意外にも体を張ったクールなアクション演技を披露し、新境地を開拓。60代でアクション開眼したL・ニーソンに続くかも。