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監督賞ノミネートリスト

第98回アカデミー賞

無冠のポール・トーマス・アンダーソンが監督賞に王手 3名が初ノミネート

 『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』のジョシュ・サフディ、『センチメンタル・バリュー』のヨアキム・トリアー、『罪人たち』のライアン・クーグラーの3名が初ノミネート。またアカデミー賞受賞歴のある『ハムネット』のクロエ・ジャオを含めて40代以下が3名と、世代交代感と多様化が進んだ顔ぶれとなった。その中で、頭ひとつ抜けているのが『ワン・バトル・アフター・アナザー』でアカデミー賞監督賞は4度の候補を数えるポール・トーマス・アンダーソン。2番手につけている『罪人たち』のライアン・クーグラーが、どこまで追い上げるか。(今祥枝)

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クロエ・ジャオ『ハムネット』

アカデミー賞
映画『ハムネット』よりクロエ・ジャオ監督 (C) 2025 FOCUS FEATURES LLC.

 ニューヨーク大学で映画を学び、短編を経て2015年の長編デビュー作『兄が教えてくれた歌』で注目を浴びた。続く『ザ・ライダー』はカンヌ国際映画祭監督週間で高評価を獲得。2020年の『ノマドランド』でアカデミー賞で作品賞・監督賞を含む主要部門を制覇。女性監督として史上2人目、アジア系として初の監督賞受賞の快挙を成し遂げた。その後はMCU作品『エターナルズ』を手がけ、アートハウス系と大作を横断する稀有な才能として国際的評価を高めている。『ハムネット』で長編監督5作目にして、2度目の候補となった。

クロエ・ジャオ
1982年3月31日生まれ
中国・北京市出身

主な監督作
『エターナルズ』(2021)
『ノマドランド』(2020)
『ザ・ライダー』(2017)

ジョシュ・サフディ『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』

アカデミー賞
映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』よりジョシュ・サフディ監督 (C) 2025 ITTF Rights LLC. All Rights Reserved.

 ニューヨーク州でシリア系ユダヤ人の家系に生まれた。兄ベニー・サフディと組む「サフディ兄弟」として知られ、兄弟で初期作『ダディ・ロングレッグス(原題)/ Daddy Longlegs』(2009)で半自伝的な家族像を描き、カンヌ監督週間に選出。続く『神様なんかくそくらえ』『グッド・タイム』『アンカット・ダイヤモンド』の徹底したリアリズムや即興性の高い演出などエッジの効いた作風で注目の存在に。『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』が絶賛され、初めてアカデミー賞監督賞候補となる快挙を成し遂げた。

ジョシュ・サフディ
1984年4月3日生まれ
アメリカ・ニューヨーク州出身

主な監督作
『アンカット・ダイヤモンド』(2019)
『グッド・タイム』(2017)
『神様なんかくそくらえ』(2014)

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ポール・トーマス・アンダーソン『ワン・バトル・アフター・アナザー』

アカデミー賞
映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』よりポール・トーマス・アンダーソン監督(※写真右)(C) 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

 1996年の長編デビュー作『ハードエイト』で注目され、翌年の『ブギーナイツ』により一躍世界的評価を獲得した。『マグノリア』(1999)はアカデミー賞で脚本賞を含む主要部門に選出。石油王を描いた『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)では監督賞・作品賞など8部門でアカデミー賞候補となり、名声を確立した。以後もカンヌ、ベネチア、ベルリンといった国際映画祭の常連となり、アカデミー賞では監督、脚本家、プロデューサーとして通算14個のノミネートを獲得しているが無冠。『ワン・バトル・アフター・アナザー』の監督賞で、初の受賞に王手。

ポール・トーマス・アンダーソン
1970年6月26日生まれ
アメリカ・カリフォルニア州出身

主な監督作
リコリス・ピザ』(2021)
ザ・マスター』(2012)
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)

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ヨアキム・トリアー『センチメンタル・バリュー』

アカデミー賞
映画『センチメンタル・バリュー』よりヨアキム・トリアー監督 (C) 2025 MER FILM / EYE EYE PICTURES / LUMEN / MK PRODUCTIONS / ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS / ZENTROPA SWEDEN AB / KOMPLIZEN FILM / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ARTE FRANCE CINEMA / FILM I VAST / OSLO FILM FUND / MEDIEFONDET ZEFYR / ZDF / ARTE

 デンマーク出身の映画監督・脚本家で、ラース・フォン・トリアーの親類にあたる。2006年の長編デビュー作『リプライズ』で若者の不安と創作衝動を鋭く描き、ノルウェーのアカデミー賞と言われるアマンダ賞の最優秀作品賞、監督賞、脚本賞を受賞。続く2011年の『オスロ、8月31日』はカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、北欧映画を代表する才能として国際的評価を確立した。世界的な知名度を決定づけたのは『わたしは最悪。』(2021)で、アカデミー賞国際長編映画賞と脚本賞にノミネート。『センチメンタル・バリュー』で初のアカデミー賞監督賞候補となった。欧州発のスター監督として快挙となるか。

ヨアキム・トリアー
1974年3月1日生まれ
デンマーク・コペンハーゲン出身

主な監督作
『わたしは最悪。』(2021)
テルマ』(2017)
母の残像』(2015)

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ライアン・クーグラー『罪人たち』

アカデミー賞
ライアン・クーグラー監督(C)AP/アフロ

 サンダンス映画祭で高い評価を受けた2014年の長編デビュー作『フルートベール駅で』で、注目を集めた。続く『クリード チャンプを継ぐ男』では普及の名作『ロッキー』シリーズを現代的に再生し、娯楽性と批評性を両立。世界的ヒットとなった『ブラックパンサー』(2018)および『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022)では、アフリカ系文化とヒーロー映画を融合させてMCU作品に新風を巻き起こした。ホラー要素の強い異色作『罪人たち』は、特にアメリカでは人気が高く、初のアカデミー賞監督賞候補にして、熾烈な追い上げを見せている。

ライアン・クーグラー
1986年5月23日生まれ
アメリカ・カリフォルニア州出身

主な監督作
『ブラックパンサー』シリーズ(2018・2022)
『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)
『フルートベール駅で』(2014)

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