バッド・ヘアー (2020):映画短評
ライター2人の平均評価: 3
『ゲット・アウト』の系譜に属する社会派ホラー
ニュージャック・スウィング華やかなりし1989年のロスを舞台に、ブラックミュージック専門テレビ局で働く若い黒人女性が、出世のためにアフロヘアの地毛をストレートのエクステに変えたところ、呪われたエクステによって惨劇が巻き起こる。人種差別やルッキズム、ミソジニーといった社会問題をホラー・エンターテインメントへ昇華させたという意味で、少なからず『ゲット・アウト』の影響下にあることは間違いないだろう。メッセージや着眼点は面白いし、当時のミュージック・シーン(ケリー・ローランドが歌うジャム&ルイス風のテーマ曲もグッド)の再現にもニヤリとさせられるが、チープなVFXと不完全燃焼なラストは惜しい。
社会的なことにも触れるB級ホラー
ストレートの長い黒髪が出てくる怖い話は、日本人ならば馴染みのあるところ。今作はそれを80年代のL.A.に住む黒人女性でやってみせる。もちろん、普通、黒人女性の髪はストレートではない。だが、テレビ局に勤める女性の主人公は、出世するため、高いお金を払って、一般的基準で「美しい」とされる髪を手に入れるのだ。日本でも髪は女の命と言われるように、国境や世代を超えて女性と髪の関係は深いが、とりわけ黒人女性においては根強い問題で、最近でもしばしば語られてきている。男女差別や職場における不適切な関係などの事柄にも触れるが、社会問題とホラーを最高な形で融合して見せた「ゲット・アウト」にはなりきれなかった。




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