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夜、鳥たちが啼く (2022) 映画短評

2022年12月9日公開 115分

夜、鳥たちが啼く
(C) 2022 クロックワークス

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

なかざわひでゆき

他者と上手く関われない男と、他者と深く関わりたくない女

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 自分自身への不甲斐なさから周囲へ八つ当たりし、恋人にも友人にも見捨てられた売れない小説家。そんな彼の一軒家へ、夫の浮気が原因で離婚して行く当てのない女性が、幼い息子を連れて転がり込む。他者と上手く関われない男と、他者と深く関わりたくない女による、つかず離れずの距離感を保った共同生活。それでもなお人の温もりを求めてしまう2人が、恋人とも夫婦ともまた違った家族の形のようなものを模索する。このラブストーリー未満の微妙なさじ加減が本作のキモで、社会からはみ出してしまった男女の、お互いの傷をなめ合うのではなく、むしろ欠けたものを補い合う関係に、厳しい時代における人間同士の在り方を見出せるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

村山・ドラケン臭を微塵も感じさせない山田裕貴が化ける

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

恋人に去られた小説家と先輩の元妻だったシングルマザーとの、いびつな半同居生活。どこかゾクゾクする題材を、ピンクやエロVシネで着実にキャリアを積み上げた城定秀夫監督が今や持ち味である長回しで撮る。しかも、あざとい悪女じゃないのに、やたら艶っぽい松本まりかと、村山・ドラケンの匂いを微塵も感じさせない疲れた山田裕貴の意外な化学反応もあり、距離が縮まった2人が求め合う濡れ場のエロさは格別。本作で山田は城定監督の前作『ビリーバーズ』での磯村勇斗ばりに一皮剥けたといえるだろう。優しい目線ゆえ、佐藤泰志原作の映画化としてのモノ足りない感は否めないが、まさかのG.D.FLICKERSに、★おまけ。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

危うい二人

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

山田裕貴がやっと年相応の役を演じられるようになってきたのかなと実感する一本。気が付くとすぐにヤンキーやってますからね…。今作は今までにない危うさを漂わせて魅力的です。相手役の松本まりかも危うさが巧くはまる人なので、この二人の不安定さが映画に独特の緊張感を漂わせて表情の裏側の何かを感じずにはいられません、そんな部分もあってかちょっとした笑顔や子供たちの楽しい様子、クライマックスの花火に心救われます。人生どうにもならない事ばかりなのですが、ちょっとしたことが思わぬ形で気持ちに温かい光を与えてくれるものですね。

この短評にはネタバレを含んでいます
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