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忌怪島/きかいじま (2023):映画短評

忌怪島/きかいじま (2023)

2023年6月16日公開 109分

忌怪島/きかいじま
(C) 2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

ミルクマン斉藤

脳科学の介入による過去の呪いの蘇り。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

1年に1作のペースで「村」シリーズを撮り続けてきた清水崇だが、舞台を村から島へと移すにあたり大胆な新機軸を取り入れた。それは『エクソシスト』から『エクソシスト2』への繋がりのように、因習やオカルトめいたものと現代科学の遭遇という、いわばSF的な要素を導入したことだ。今回はVRで実際の島をモデルにした仮想空間を作り上げることにより、その島に残る禍々しい伝説が現実を侵食してくるというもの。そういう意味で、出番は多くないが侵食のきっかけを作った伊藤歩の存在は大きい。また、奄美大島のシャーマン女性=ユタと、人々に疎まれている笹野高史と、彼に共感する女子中学生(當真あみ)との関係も面白味を加えている。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

お化け屋敷ノリな「村シリーズ」から一転

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

もはや出オチに近い大谷凜香も登場するなか、清水崇監督の趣味がダダ漏れだった「恐怖の村シリーズ」のお化け屋敷ノリを期待すると、あまりの変化球に驚く。現実世界とメタバースを行き来しながら、“赤い女”の怨念に迫る展開は興味深いが、いろいろと詰め込んだうえ、なかなか意味深なショットが続く。ホラーとしての弱さはもちろん、同じ“天才VS.呪怨”を描いた『貞子DX』のような作り手のフッ切れた感もないため、散漫な印象が強くなってしまった。怖さも半減するなか、コミュ障な天才脳科学者を演じる西畑大吾は『KAPPEI カッペイ』よりも魅力的に撮られているので、ホラーの苦手なファンにはおススメかもしれない。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

恐怖の舞台は村から島へ

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『犬鳴村』に始まる「恐怖の村」シリーズをヒットさせた清水崇監督が、今度は舞台設定を村から「島」へ変えて挑むホラー映画。古い因習の残る寂れた小さな島で、封印された過去の怨念が甦る…という基本的なプロットは「恐怖の村」シリーズを踏襲しているが、そこへメタバースだのVRだのといったハイテク要素を絡めたのが新鮮味と言えるだろう。それが十分に機能しているかどうかは微妙なところだが、しかし現実世界と仮想世界を行き来する描写は低予算ならではの創意工夫が凝らされており、中には「おっ!」と思わせるような場面も見受けれられる。アイドルとしての普段の愛くるしさを封印した、西畑大吾のクールな芝居も悪くない。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

面白い視点

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

”恐怖の村”シリーズ3部作を仕上げた清水崇監督が次の新作として”島”が舞台の映画ということで、わかりやすいアップデート版なのかと思いましたが、ガラッと違った一本に仕上がっていました。現実世界とメタバースの関係を”この世とあの世”に移し替えたのはなかなか面白い仕掛けでした。”バグじゃなく、呪いだ”というセリフもキャッチ―です。がっつりSF というわけでないのですが、”情念”が一番前に出てきていた、これまでの清水崇監督作品と比べるととても新鮮でした。この路線の作品ももっと見たいところです。西畑大吾と山本美月の組み合わせも良かったです。

この短評にはネタバレを含んでいます
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