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ハント (2022):映画短評

ハント (2022)

2023年9月29日公開 125分

ハント
(C) 2022 MEGABOXJOONGANG PLUS M, ARTIST STUDIO & SANAI PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

独裁者の手先は独裁者よりも悪い

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 軍事独裁政権時代の韓国で、お互いにライバル同士の国家安全企画部(旧KCIA)幹部が、組織に潜入した北のスパイを炙り出すためにしのぎを削る。組織の体面や我が身を守るためなら、無実の一般市民にも平気で罪をなすりつけ、凄まじい拷問で自白を強要する地獄のような世界。「独裁者の手先は独裁者よりも悪い」という劇中のセリフが重くのしかかる。これは、そんな裏切りと陰謀と策略の渦巻く状況下で、苦渋の選択を繰り返しながらも正気を保とうとする男たちの物語。次々と予想を覆すスリリングなストーリー展開の面白さも然ることながら、イデオロギーを超えたヒューマニズムに訴える人間ドラマに心が震える。なかなか見事な映画だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

イ・ジョンジェの監督としての才能を思い知らされる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

同じ現場にいる“同志”のはずが、その真意が複雑すぎるムード満点の主人公2人。そこに南北問題も絡んでしばらくモヤモヤするし、周囲の人物との関係もちょっと分かりづらかったりするが、演出の勢いとテンポが快調で、アクション場面のカット割りも的確なおかげで目がクギづけのままでいられる。監督イ・ジョンジェの才能が実証された一作。

なぜ自分にこの役を当てたのか、盟友チョン・ウソンにどんな演技をさせたかったのか。そこに俳優監督としての矜持や野心も感じられた。
敵味方を超えた人間としての使命感や理想。それを大仰なセリフではなく繊細に込めたあたりもセンスが良い。
韓国の街を東京に仕立てて撮ったシーンは敢闘賞。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

「シュリ」を思い出すポリティカルアクション

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

ポリティカルサスペンスはコンスタントに作られている感の韓国映画ですが、”ポリティカルアクション”となるとちょっと久しぶりな感じがします。今の韓国映画の発端ともいえる『シュリ』を思い出しました。
イ・ジョンジェとチョン・ウソンという二大スターの共演作ということもあって、ハードな内容ではありますがちゃんと映画らしい”華”もあって見ていて楽しくなります。二人ともアクション映画に実績のある人たちなので、外連味とリアルが両立した一本になっています。イ・ジョンジェはこれが監督デビュー作となりますが、これからも楽しみです。

この短評にはネタバレを含んでいます
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