かなさんどー (2024):映画短評
目が離せなくなる浅野忠信劇場
いかにも照屋年之(ゴリ)監督作らしく、冒頭からカマしてくるが、これが後々の伏線になっており、じつに映画的なトリックといえるだろう。その後、どこか既視感のあるダメ親父に振り回される家族の物語が始まるものの、おなじみのいい加減キャラを演じる浅野忠信劇場から目が離せなくなる。また、本作の原型である18分の短編『演じる女』の満島ひかりに勝るとも劣らない芝居を魅せ、完全に代表作となった松田るかのほか、Kジャージなどのご当地タレントや又吉かまぼこやケックンなどの名産品の使い方もさすがの一言。『洗骨』ほどのインパクトはないものの、今回も笑って泣ける優しい一作に仕上がっている。
この短評にはネタバレを含んでいます



















