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ブラック・ボックス・ダイアリーズ(原題):映画短評

ブラック・ボックス・ダイアリーズ(原題)

ブラック・ボックス・ダイアリーズ(原題)
(C) 伊藤詩織/Black Box Diaries製作委員会
斉藤 博昭

自らを題材にした覚悟。構成もうまい。是非・論議も含め必見

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

当事者が自ら被害を受けた事件に真っ直ぐに向き合い、しかも観る側の感情を引き込まざるをえない「構成」で仕立てる。ドキュメンタリーとしての覚悟と、テクニックの巧さが最高レベルの一作。
その使用が論議を呼ぶ映像と音声は、事件の衝撃、および捜査の知られざる裏事情を突きつける意味で、本作には不可欠。使用是非を考えさせる意味は大きい。一方で当時の政権の関わり疑惑は、改めて戦慄をおぼえ、世に問うべきものだと再確認。
どこまで追求すべきか。誰を信じるか。何度も心が折れ、精神が追い込まれる状況は痛々しいが、心が激しく揺さぶられたのは終盤のある人物の証言。そこに、人間として事件をどう受け止めるべきかが集約される。

この短評にはネタバレを含んでいます
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