か「」く「」し「」ご「」と「 (2025):映画短評
か「」く「」し「」ご「」と「 (2025)
ライター2人の平均評価: 4.5
今年偏愛したい日本映画現る!
ちょっとした“かくしごと”=特殊能力を持つ5人の恋愛映画だけに、SFファンタジー要素満載かと思えば、恐ろしすぎる丁寧な演出から醸し出される繊細かつ鋭い心理描写が止まらない。「どれもハズレなし!」の勢い止まらぬ奥平大兼主演作にして、出口夏希が放つ透明感がキラキラ映画としての醍醐味を味わわせてくれ、菊池日菜子の一見パッパラパーに見えて繊細な芝居が引き締める! 住野よるの原作がありながら、間違いなく『カランコエの花』~『少女は卒業しない』と、着実にキャリアアップしてきた中川駿監督による群像劇として成立していることに驚き。かなりの挑戦作ともいえるだけに、今年偏愛したい一本だ。
中川監督の手腕を堪能
短編映画『カランコエの花』で注目を浴びた中川駿監督の『少女は卒業しない』に続く商業長編第2作。前作も先見の明を感じさせるキャスティング(主演を務!!)でしたが、今回も瑞々しい面々が揃いました。メインの5人はすでに実績を積み始めている部分もありますが、本作では見事な若手俳優のケミストリーを見せてくれました。各章ごとに視点が変わるのでしっかり読み込まなくてはいけなかった原作を見事に咀嚼、脚色して一本の映画に仕上げています。
『赤羽骨子のボディーガード』に続く共演となった出口夏希と奥平大兼ですが、この二人は相性が良いですね。これからも見たい組み合わせです。