ナタ 魔童の大暴れ (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3
無敵の仙人に俺はなる!
日本では『ナーザの大暴れ』でおなじみ、『羅小黒戦記』にも登場した魔丸の生命体が主人公のメガヒット・アニメ。『ナタ 魔童降臨』の続編となるが、簡単な設定は冒頭で語られるので問題なし。とはいえ、前作で相棒となった霊珠の化身がナタの体内に同居する展開など、次々とキャラクターが登場する目まぐるしい展開に突入。見どころは仙人の道を目指すための修業シーンだが、壮絶なバトルシーンに限らず軽い下ネタなど、「ドラゴンボール」を始め、日本のアニメの多大な影響を痛感させられる。エンドロールのおまけも含め、たっぷり144分の長尺で、世界を席巻する中国アニメの勢いを魅せつけられること間違いなし。
東アジアの形と色の奔流が目を奪う
中国民話から生まれ『西遊記』にも登場するキャラクターを題材に、中華風のアイテムとデザインが画面が埋め尽くす。山水画の風景、仙人、蓮の花、空中を舞う巨大な龍たち、野や海の生物が化身した妖たち。器や武具の表面は、歴史的遺物を踏まえた紋様で埋め尽くされている。薄緑色の護符が出てくれば、言われなくても翡翠と分かる。いかにも東アジアな事物の形と色の奔流が新鮮。
さらに、サイズ感の途方もない大きさが中華流。大空に亀裂が入って別世界が出現、海の水は干上がり、炎と水が巨大な渦を巻く。
物語が、友情と家族愛の尊さに加えて、権威に対する不信と反逆を描いているのも、中国と全米での大ヒットの要因か。





















