JUNK WORLD (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
『JUNK HEAD』にきっちり続く前日譚
独特のテイストは、いい意味で前作『JUNK HEAD』と変わらない。オモチャ感覚/機械嗜好のあちこちに、有機物のグチョグチョニュルニュル触感を潜ませ、今回もグロテスクとキュートの狭間をすり抜けていく。
ストーリーは、前作にきっちり続く前日譚。ロボットが主人公だから可能な恐ろしく長大な時間を使って、壮大な物語が展開していく。登場人物の数も膨大に増え、多数のサブキャラの性格描写もあり、メカ類も増加、空間のサイズもかなり拡大され、複数の時代、複数の世界が描かれる。と、あらゆる要素が増えているにも関わらず、テイストが変わらないところに感動。
スケール拡大も本質はキープされ、反復によって快感が増す!
「JUNK HEAD」からスケールも超拡大し、宇宙空間から基地、主人公らの行く先々の奇々怪々な風景までワンダーランド的な楽しさを満喫。同じくストップモーションを愛する巨匠、フィル・ティペットに近い、蠱惑的におぞましい物体&描写も増えて、悦楽に浸った。
パラレルワールドの要素も駆使したことで反復する面白さに加え、視点が変わる『羅生門』的な名作の香りすら帯びたかも(そこはちょっと誉めすぎ?)
神話的な深みを予感させつつも、声の演技にまで徹底されたアナログ感に、もの作りのスタンス、その基本を外さない決意が十分。性加害で日本を激震させたあの人物を連想させるキャラが出てきたりと「時代性」への挑発も最高!



















