この夏の星を見る (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 4.5
2025年下半期のダークホース、いきなり現る!
舞台がコロナ禍だけに、キャストがマスクをしたままという、かなりの意欲作。『夜のピクニック』を想起させる青春群像劇である一方、彼らが手作り望遠鏡を構える緊張感は、ガンアクションばりの美学を感じさせる。ぶっちゃけ、若手中心のキャスティングの弱さは否定できないが、安定感ありすぎる桜田ひよりの名座長っぷりに加え、顧問役の岡部たかしが発するワードがいちいちブッ刺さる。配信ドラマや切り抜き動画でのセンスで一躍注目された山元環監督だが、しっかり2時間超えの長尺も魅せ切る実力を発揮。「最高で、2度とこないでほしい夏。」という近年稀にみる素晴らしいコピー含め、2025年下半期のダークホースだ!
あの夏だっていいことはあった
コロナ禍のあの夏を過ごした高校生たちの物語。仕方がないとはいえ受け身の立場で非常事態に接することになってしまった高校生たち。それでも何かできないか?何か希望はないか?と模索する姿がとても印象的です。そしてそれを懸命に支えてくれる好意的な大人たちの姿も忘れず描いています。多くの制約があったあの夏だって”いいことはあった”と教えてくれる一本です。同じような制服でマスク姿なために誰が誰だかちょっとわからなくなる瞬間もありましたが…。意外な拡がりを見せる人間関係も面白かったです。『フロントライン』と対にしてみるのも良いかと思います。




















