君の声を聴かせて (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
恋愛映画が苦手な人にもおススメ!
大学は卒業したが人生に目標を持てず、就職もせず実家の弁当屋を手伝う若者が、水泳選手である聾啞者の妹をオリンピックへ送り出すため献身的に尽くす女性と恋に落ち、以前に修得した手話を駆使して懸命にアプローチするも一進一退を繰り返す。一応、聾唖者を取り巻く世間の無理解や偏見にも触れてはいるが、しかしテーマはあくまでもディスコミュニケーションであり、聾唖はそのメタファーに過ぎない。お互い相手を思いやれば思いやるほど生まれるすれ違い。なんとも微笑ましくてチャーミングなお話!主演のホン・ギョンとノ・ユンソの爽やかな魅力とも相まって、恋愛映画が苦手なオジサンでも思わず胸がキュンとする佳作に仕上がっている。
どこまでもさわやかで優しい青春物語
ボンヤリして何もやる気がない主人公が、水泳に打ち込むろう者の妹を懸命に世話する姉にひと目惚れして、手話を通じてほのかな愛情を育んでいく青春物語。青と白をキーカラーにしていることからもうかがえるように、作品の雰囲気はどこまでも優しくてさわやか。『弱いヒーロー』のホン・ギョンが、恋愛してもエゴを出さず、支配しようともせず、好きになった相手のためにひたすら尽くす主人公を好演している。テーマはこれまで様々な作品で描かれた「ろう者と聴者の恋愛の困難さ」ではなく、あくまでも「若者の主体性の回復」。今はこういう作品が韓国の観客に求められているのだろう。「韓国映画といえばハード」のイメージが覆るかも。





















