三日葬/サミルチャン (2024):映画短評
怪現象に、人々の想いが絡みつく
蛾のイメージが鮮烈。ある時は、蛾が、美少女の死体の口から、ゆっくり姿を現す。また別の時には、青白い光に満ちたクリーンな霊安室で、ふと見上げると、どこからか現れる蛾が、少しずつ天井を覆っていく。
その蛾のように、心臓移植を受けた少女に起きる怪現象に多様な要素が絡む。三日間に渡り死者を弔う三日葬という風習に、キリストの三日後の復活が交差。凄腕の外科医である主人公の、自ら心臓移植手術をした愛する娘への執着と、医師としてのプライドが絡み合う。悪魔祓いを依頼された若い神父には、忘れられない過去がある。主人公と妻の関係にもドラマを読み取りたくなり、ストレートな憑依ホラーとは少々違う味わいが残る。
この短評にはネタバレを含んでいます



















