ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家 (2024):映画短評
偉大なるマエストロの実像に肉薄する音楽ドキュメンタリー
フランスの生んだ偉大な映画音楽作曲家ミシェル・ルグランの軌跡を追うドキュメンタリーである。『シェルブールの雨傘』に『ロシュフォールの恋人たち』、『華麗なる賭け』に『おもいでの夏』。忘れがたきメロディの誕生秘話などが、撮り下ろしとアーカイブ映像を織り交ぜた本人や関係者らのインタビューで解き明かされていく。だが、それ以上に本作でフォーカスされるのは人間ミシェル・ルグランの実像だ。頑固で手厳しい完璧主義者とお茶目で繊細でナイーブな少年が同居する複雑な芸術家。そんな彼の素顔を、主に晩年の密着取材映像を通して見つめていく。中でも、結果的に最後となったコンサートの舞台裏は感動的だ。
この短評にはネタバレを含んでいます



















