ファンファーレ!ふたつの音 (2024):映画短評
バディ感も抜群に爽やか
良質のヒューマンドラマ。系譜としては『最強のふたり』を受け継ぐ、異なる社会階層にいる2人の出会いが物語の起点となる仏の庶民派人情劇だが、生き別れになっていた兄弟を主人公に据えて血の繋がりや才能といった宿命性を導入。そこにクラシック音楽を丁寧に絡めた。何より対照的なキャラの兄弟を演じるB・ラベルネとP・ロッタンが良い!
ベタを回避できたのはクールコル監督の個性が大きい。『アプローズ、アプローズ!』等と同じく格差や分断にまつわる問題意識をもとに、環境や教育といった要因に目を向ける姿勢。工場の機械音から生まれたラヴェルの「ボレロ」も象徴的に機能する。全体として英国映画『ブラス!』の美点に近いかも。
この短評にはネタバレを含んでいます




















