それでも夜は訪れる (2025):映画短評
社会派の背景を持つ「時間との闘い」スリラー
冒頭で、ニュースの音声などを通し、経済格差が拡大し、まじめに仕事をしていても病気でシフトを逃したりなどふとしたことでホームレスになってしまう現代のアメリカのリアルを強調。主人公の行動に説得力を持たせるベースとなるも、その後は時間との闘いのスリラーになり、やや信憑性に欠ける展開になっていく。それでも引っ張られるのは、強さと脆さ、必死さと軽率さの混じった複雑な心理を表現する主演のヴァネッサ・カービーのおかげ。ダウン症の俳優ザック・ゴッドセイゲン(『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』)演じる兄との家族愛がキャラクターに思い入れさせる側面を与えるが、全体としては意外にも感情面が希薄な印象。
この短評にはネタバレを含んでいます



















