木曜殺人クラブ (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3
良心的で明るい王道エンタメ作品
監督はクリス・コロンバス、製作はスピルバーグのアンブリン。いかにもこの人たちらしい、良心的な王道エンタメ。彼らが暮らす高齢者施設が限りなく優雅で美しいのもファンタジー感を高める。年齢が年齢だけに、死が身近にもあることはちらりと触れられるものの、悲壮感はゼロでひたすら明るい。俳優たちも楽しんで演じているのが伝わってくるが、素晴らしいフィルモグラフィーを誇る大ベテランの彼らにしたら、キャリアで最も楽な仕事だったのでは(それは決して悪いことではないが)。とくにベン・キングスレーはもう少し見せ場が欲しかった。原作はあと何冊もあり、続編は当然視野に入っているだろうから、今後チャンスがあるか。
あんな高齢者施設に入るにはどうすればいいのか
ヘレン・ミレン、ベン・キングスレー、ピアース・ブロスナン、セリア・イムリーが揃い踏みで、ミステリーの世界的ベストセラーを映像化するということで期待度が高まったが、ミステリー感はわりと普通。テレ朝の刑事ドラマを見てるような安定感なので、あまり過度な刺激に慣れていない人におすすめ。自分が年をとったとき、あんな素敵な高齢者施設に入るにはどうすればいいのかをずっと考えてしまった。老人たちが仲間と殺人事件の犯人を考える設定が気に入った人は、スティーブ・マーティン主演のテレビシリーズ『マーダーズ・イン・ビルディング』をおすすめしたい。




















