非常戒厳前夜 (2025):映画短評
SNSがもたらしたもの
昨年末、「ソウルの春」再び⁉︎と世界に緊張を走らせた韓国の戒厳令。尹錫悦政権を追い詰めた背後には、やはり独立系メディア「ニュース打破」の存在があったのかと彼らに敬意を表すると同時に、世界的な問題であるジャーナリズムの危機を嫌というほど知らしめる作品だ。自分たちの不都合な真実を、”フェイクニュース”という安易な言葉を使って追及を封じ込める権力者の常套手段になっている愚かしさ。さらに彼らを犯罪者にまで仕立てあげるという権力の暴走ぶり。劇中、「ニュース打破」の代表キム・ユンジンが、政権の言い分にノったメディアを静かな怒りをもってたしなめる場面がある。その言葉は、私たち大衆にも向けられている。
この短評にはネタバレを含んでいます


















