世界一不運なお針子の人生最悪な1日 (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
小道具使いと青緑×黄の小型車フィアット500が可愛い!
期待せずに観たらきっとサプライズが大きい。「このバカ娘!」と顧客に怒鳴られる内気な裁縫師の女性が、自らの商売道具を駆使して緊急の試練に挑む。結び目を作り、滑車を回し、針と糸を使った様々な奇想でピンチに立ち向かう。必殺仕事人ばりの彼女のシャープな活躍と、ピタゴラスイッチ的なギミックが愉しくワクワクさせる。
監督は2000年生まれの新鋭F・マクドナルド。同名短編が憧れのJ・コーエンから賞賛を受けて長編に展開したらしいが、三つの選択=運命が枝分かれする『ラン・ローラ・ラン』型の作劇も練られているし、映像/美術のポップセンスも秀逸だ。変化球のジェットコースタームービーとも言える上々のデビュー作。
糸と針の仕掛けが、運命を変えていく
亡き母の洋裁店を引き継いだお針子のヒロインが、ふとした出来事に遭遇し、人生の一発大逆転を企てる。そこで使うのが商売道具の、針と糸、という設定がユニーク。
さらに、この糸と針の仕掛けの過程を描く映像が見もの。ヒロインが糸を使って構築した細工が、どう連鎖して、最後にどんな結果を招くのか。1本の糸が、あれよあれよと事態を変えていくさまが、意外性抜群。それを、次々に角度を変えてテンポよく映し出す、映像のスピードも気持ちいい。
ヒロインは、こういう場合にありがちな善人ではなく、かなり大胆な性格。周囲にいるのも少々風変わりな人々ばかりで、ちょっとブラックな笑いもいい味。






















