おくびょう鳥が歌うほうへ (2024):映画短評
北の澄んだ大気を胸に吸い込む
北の海辺の小さな家に住み、アルコール依存症を克服しつつある女性の静かな毎日を描きながら、彼女のこれまでが少しずつ明かされていく。シアーシャ・ローナン演じる主人公の髪色が、彼女の状況につれて何度も変わるが、どの色も鮮やかで明るい。北の海辺の風は冷たいが、光はいつも澄んでいる。ずっとヘッドホンで音楽を聞いていた主人公が、それを外して風や波の音に耳を澄ませるように変わる。すると、聞こえてくる音がある。
監督は『システム・クラッシャー』で感情を制御できない9歳の少女を描いたノラ・ファングシャイト。同作のユヌス・ロイ・イマーの撮影が、北の冷たく微かな光をとらえる。
この短評にはネタバレを含んでいます






















