ジェイ・ケリー (2025):映画短評
俳優と役の無理なき一体感。ハリウッドトップの舞台裏もリアル
G・クルーニーがハリウッドスターを演じるので、やや自虐ネタ、あざとさを予感させる設定も、基本は誠実な演技を徹底。軽いユーモアを込めるタイミングも絶妙で、俳優と役の美しい一体感に幸せな気分に。
スタジオ撮影のあれこれを一気に観せる冒頭で、映画界の舞台裏ワールドに没入。トップスターの周りでどんな人たちが仕事をしているのかが、リアルかつ共感たっぷりに描かれ、なおかつ各エピソードが物語の芯にきっちり絡んでいるので一瞬も飽きることがない。作劇の上手さに惚れぼれする。「じつは自分が空虚」と自覚する主人公が、一般市民に刺激を受ける流れもスムーズ。
ただ後半、まだるっこしいシーンが目立っての失速は否めない。
この短評にはネタバレを含んでいます





















