AFRAID アフレイド (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 3
テーマはリアルだが恐怖も不安も感じさせない
どんどん日常生活に入ってくるAIは便利さを提供してくれるものの、不安と脅威を大きくする。そこを突くテーマは良いのだが、ツッコミどころがありすぎ、ホラーなのに恐怖を感じさせない。撮影開始は2022年末、本来なら2023年夏に公開のはずだったが延期され、その間に現実社会でテクノロジーが進んでしまって変更を余儀なくされたのも大きいかと。短い上映時間とストーリーの穴は、編集で色々カットしたせいもあるのではと思われる。似たテーマで同じブラムハウス製作の「M3GAN/ミーガン」(2022)がエンタメとして優れていたので(今年公開の続編は最悪だったが)、比較してもしまう。意欲はあるが結果が伴わなかった例。
もし音声アシスタントがこんな進化をしたら
本作のAIが、身体を持つ未来的AIではなく、Siriやアレクサなどの身近な音声アシスタントが、ごくわずかに進化したような形で、音声とネットワーク接続によって人間に接してくるところがリアル。それは対話によって人間の意識を操る。ネット経由の接触から逃れることができない。AIが、主人公一家の親たち、10代の子供、幼い子供の3世代によって戦略を変えるところも興味深い。
人類の意識がSNSの負の側面にうまく適応できているとは思えない現在、人間はAIに適応することが可能なのか。AFRAID=恐れ、というタイトル通り、無意識に抱いてしまっている漠然とした不安を刺激する。






















