モアナと伝説の海 (2026):映画短評
ライター3人の平均評価: 3
夏休みにぴったりなビジュなのは間違いない
オリジナルどおり海の雄大さ、青さをたっぷり満喫できるので、そこだけで大スクリーン体験の価値あり。オリジナルを愛する人には、物語やキャラ、歌曲への“忠実さ”を味わえるはず。
しかし実写化の意味を考えると、いくつか疑問も。
自在に動く海や後半のスペクタクルの背景は当然、合成で、それは仕方ないとしても、実写だからこその映像の喜びは全体に希薄。せっかく人間の俳優に任せたのに、葛藤や揺れ動く感情を伝えるシーンが短く、そのせいで特にモアナ役のランガイアの演技がつねに平板に見える(明らかに演出のせい)。
オリジナルから新発展した物語/テーマも見当たらず、結果、人気コンテンツを利用した“商業的”印象が上回る。
ノリノリのドウェイン・ジョンソンがとにかく楽しい
ノリノリのドウェイン・ジョンソンがとにかく楽しい一本。アニメから10年で実写化ということで、ちょっと早い気もしますが、ドウェイン・ジョンソンの年齢的なことも考えてもこのタイミングで良かったと思います。彼のパブリックイメージである陽性で快活な部分が、映画全体を支配していて、総じて非常に楽しい冒険映画になっていました。もちろん重い部分もあったりするのですが、やはり基本的な立ち位置は陽性なものと言っていいでしょう。酷暑の中で映画館に行くにも一苦労かと思いますが、非常に涼やかな映画となっていて、夏にぴったりの映画でした。
人間の歌う力を際立たせる
ミュージカル舞台の演出家出身のトーマス・ケイル監督が本作で志したのは、"生身の人間が目の前で歌い踊ることの力"を描くことなのではないか。その力を信じているので、アニメ版の魅力的要素をそのまま取り入れることも躊躇しない。その姿勢が潔い。
物語がアニメ版に忠実なのは、例えば『シンデレラ』『美女と野獣』などはアニメの原点となった童話に戻って新たな解釈を施すという手があるが、『モアナと伝説の海』はアニメオリジナルの物語だからだろう。『ライオン・キング』や他社の『ヒックとドラゴン』のような実写ならではの実景に注力する演出も選ばず、生身の人間たちと、そこから生まれる歌の力を際立たせる。
























