口に関するアンケート (2026):映画短評
ライター4人の平均評価: 3.8
『爆弾』の脚本家らしい脚色にも注目
今秋にかけて、3作連続で新作公開される引っ張りダコの清水崇監督だが、その初陣を飾る本作の原作は、証言を書き起こしたモキュメンタリー風味。ちょっとした観客参加型でもあるが、いわゆるお化け屋敷ホラーではなく、ミステリとしても展開していく。そのため、実力派の若手俳優が集められたのも納得だ。証言者が次々と変わる『羅生門』スタイルでもあるため、『爆弾』に参加していた脚本家・山浦雅大らしい脚色も光っており、63ページの短編だった原作に、映画オリジナルとなる週刊誌記者と刑事のキャラが追加。新たな視点が生まれつつ、89分の尺でまとめるあたり、優秀なプログラムピクチャーといえる。
"言葉"を使った仕掛けで唸らせる
原作者の背筋は、彼が原作/脚本協力を務めた映画『近畿地方のある場所について』でも、発音の同じ「近畿」と「禁忌」を二重映しにしてみせたが、今回も"言葉"を使った仕掛けで唸らせる。
モチーフは、"呪われた木"のある心霊スポット、それを見に行った若者たち、というド定番。構成も、関係者たちの"証言"で何か起きたのかが描かれていく、という王道パターン。それでいて、ストーリーが進むにつれて、その定番設定の中にさまざまな仕掛けが盛り込まれていたことが明かされていき、その技の面白さで魅了する。
"証言"はそれを語る顔のアップで描かれるので、出演者たちの"顔の演技"も見もの。
“近畿”とは趣が異なる、小話的な恐怖奇譚
警察の取調室での証言映像……のようなものに導かれ、驚きの事実へと転がっていく展開。その段階、段階で、いちいち“巧い!”と唸らされる。
呪われた木をめぐる若者たちの証言が交錯し、その謎を刑事が追いかける恐怖に直面した若者たちを描き続けている清水崇監督だから、心理描写の圧迫感は抜かりなし。その先へと転げて、しっかりオチを付ける構成もおみごと。
『近畿地方のある場所について』と同じ背筋の原作モノだが、放置設定が恐怖を増幅させたあちらに対してこちらは小話的。キャラの容姿を微妙に歪ませるVFXも効果的で、しっかり怖い!
緊張感が続くタイトなホラー
「近畿地方のある場所について」がスマッシュヒットを記録した背筋原作の映画化企画の第2弾。今回は清水崇監督を迎えるという盤石の布陣を採ってきました。清水監督作品としては珍しい”語り”で物語を紡ぐ形になっていましたが、巧みにさばきやはり清水監督のホラーは楽しませてくれることを再認識しました。若手主体のキャスティングとなっていますが、総じて良いパフォーマンスを見せてくれています。一人を選ぶなら吉川愛かなと。掌編と言ってもいい原作なので、映画に関してもむやみに関係者や事象を増やしたりせず、結果90分弱という緊張感が続くタイトな作りになったのも好印象です。












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