グッバイ、ジューン:幸せな人生の終い方 (2025):映画短評
クリスマス映画のジャンルに新たな名作が加わった
場数を踏んだ女優ケイト・ウィンスレットの強みが活かされた、完璧な監督デビュー作。役者たちがやりやすいようカメラを事前に固定し、撮影中はクルーが現場から消えることで、周囲を意識せずに演技をしてもらった。それは女優としてのウィンスレットの理想で、クルーと密な関係を築いてきたからこそできたこと。ただでさえ上手い役者たちが光るのも納得。死を扱う話ながら、真摯で、最後には希望もあり、毎年量産される空っぽなクリスマス映画と差別化する。今作の新人脚本家はなんと彼女の長男。22歳でよくここまで人間をわかっているなと感心するも、考えてみれば彼の父はサム・メンデスなのだ。この母子のこれからに大いに期待。
この短評にはネタバレを含んでいます





















