POCA PON ポカポン (2025):映画短評
あまりに秀逸な脱領域的&哲学的サスペンス
監督・脚本は大塚信一。独特のスタイルと世界観を感じる。主な舞台は28年前に猟奇殺人事件を起こした「少年A」が住むと噂される団地。その影と孤独に暮らす優しい管理人(尾関伸次)が接続され、物語は静かに反転する。シングルマザー家庭の長男(原田琥之佑)が受け取る“影響”は、社会が作り上げる罪のイメージを揺さぶり、観客に問いを返す。
団地や郊外の空間性を活かしたサスペンス演出は、音や気配も精密に設計され、日常に潜む禁忌を丁寧に掬い上げる。『フランケンシュタイン』を参照したという監督の言葉は納得。黒沢清も滲みつつ、サイコスリラーからベルイマン的対話劇へと拡張。定石を外す意志が素晴らしい。音楽は菊地成孔。
この短評にはネタバレを含んでいます





















