トゥ・ランド (2025):映画短評
螺旋するサイクル、歩き続ける人生
泣ける。ハル・ハートリー11年ぶりの新作は、ロングアイランド初期三部作の“青臭さ”がマンハッタンで再び螺旋を描く。監督の分身ジョー・フルトンは遺言書の作成を前に、老いた青年として迷走し、終わりを意識する現在と残響する青春が交差する儀式を歩む。
ゴダール譲りの編集が呼吸し、ビートルズ「プリーズ・プリーズ・ミー」がギターポップに紛れ、過去と現在が奇妙な笑いと共に重なる。誤解が連鎖するスクリューボールの軽やかさの裏で人生は未完のまま揺れ続ける。セルフオマージュが散りばめられた空間も楽しく、友人エリック役――ハートリーの大学卒業制作短編『Kid』から出演しているジョージ・フィースターが最高にいい味。
この短評にはネタバレを含んでいます





















