ザ・コラール 希望を紡ぐ歌 (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
1916年の英国北部の情景が胸に染みる
1916年、英国北部ヨークシャーの小さな町の合唱団の人々の物語は、落ち着いだ色調と、昔ながらの英国らしい街並み、人々の暮らしぶりで魅了する。が、時代は第一次世界大戦下。物語の根底にあるのは強い反戦の意思だ。戦場の悲惨を直接描くのではなく、この町で仲間と水浴びをして恋をする若者たちが、これから戦場に向かうことを描いて、戦争の無惨さを描く。並行して、当時の同性愛を隠さなくてはならなかった人々も描く。
監督と脚本は、マギー・スミス主演で老婦人の気概とユーモア精神を描いた『ミス・シェパードをお手本に』のコンビ、監督ニコラス・ハイトナーと脚本家アラン・ベネット。あの映画に共通する雰囲気がある。
希望のある話の中で時代のリアリティも見せる
古風で良質な人間ドラマ。第一次大戦初期のイギリスの小さな街を舞台に、戦争が一般人の生活をどう変えたのかを描く。その中心にいるのは、毎回すばらしいレイフ・ファインズ。ニュアンスのある演技はもちろんながら、初めて学んだという指揮者の役を説得力たっぷりにこなす(彼の先生は『TAR/ター』でケイト・ブランシェットに教えた人だとか)。音楽を通じてコミュニティがつながっていく、希望のあるストーリーながら、ラストシーンはこの時代のリアリティを見せつける。オリジナルを変えることは罪なのか、戦時中は敵国の芸術をボイコットすべきなのかなど(クラシック作曲家の多くはドイツ人)、会話のきっかけもくれる。






















