グルスポングの奇跡 (2023):映画短評
“事実は小説より奇なり”の、その先が本番!
スウェーデンの小さな田舎町グルスポングで、姉妹が亡き姉に瓜二つの女性と出会う──その驚きは、ナチスドイツ占領下のノルウェーで双子が“死亡”を偽装されねばならなかった歴史へと我々を案内する。偶然が家族史の底を揺らす展開は、ドキュメンタリーながら傑作ミステリーの趣を帯びていく。
しかし! 本作の核心は奇跡の邂逅よりも、その後に訪れる価値観の衝突だ。知的エリートとして歩んだ女性と、信仰深い田舎の家族──文化も倫理も異なる者同士が同じ“家族”を名乗る時、祝福よりもやっかいな問いの連鎖が深い闇の中で渦巻く。家族という共同体の難しさを映し出している意味では、『どうすればよかったか?』とすら重なるほどだ。
この短評にはネタバレを含んでいます




















