『ジュラシック・ワールド/復活の大地』スピルバーグが全面サポート!撮影素材も全てチェック

映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日全国公開)を手がけたギャレス・エドワーズ監督がインタビューに応じ、シリーズ生みの親であり、自身が敬愛するスティーヴン・スピルバーグが全面サポートしてくれたことを明かした。
【動画】1作目に原点回帰!『ジュラシック・ワールド/復活の大地』本予告
『ジュラシック・ワールド』シリーズ最新作は、登場人物&キャストを一新し、スピルバーグが監督したオリジナル版への原点回帰を図っている。脚本には、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)以来となるデヴィッド・コープが復帰し、スピルバーグも製作総指揮に名を連ねる。
低予算映画『モンスターズ/地球外生命体』(2011)で注目を浴びたエドワーズ監督は、2014年にハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』を撮る機会に恵まれた。「キャリアの初期に『GODZILLA ゴジラ』を手がける機会を得たのは、本当に名誉なことだった。最近は、彼(ゴジラ)から連絡がなくて……メールも来ない。多分いま日本で忙しいんじゃないかなと(笑)」と山崎貴監督が製作している『ゴジラ』シリーズ最新作が気になって仕方がない。
『ジュラシック』シリーズの大ファンでもあるエドワーズ監督は、「最初、この映画の作業を始めたときは、恐竜を撮るのと、ゴジラを撮るのは共通することも多いだろうと思っていた」と回顧。ところが、実際に撮影が始まると、ゴジラ映画とは異なる部分に気がついた。
「ゴジラはより自然の力、竜巻やハリケーンに近い存在。主人公が、誰かを見たり追いかけたりしないとき、そのキャラクターを描くのはかなり困難だ。正直なところ、(今回は)ホッとした。メインキャラクターたちと恐竜を同じ部屋に閉じ込められる。お互いが見つめ合って『お前を食べるぞ、殺すぞ』という状況が作れると、本当に緊張感あるシーンができる。もちろん、恐竜とゴジラには共通する点もあった。私が手がけた『GODZILLA ゴジラ』は、多分『ジュラシック・パーク』の監督への道につながる“秘密のオーディション”みたいなものだったかもしれない(笑)」
恐竜映画を観て育ったエドワーズ監督にとって、スピルバーグは「最大のヒーロー」だ。「スピルバーグ監督が『ジュラシック・パーク』を製作すると知ったときは衝撃を受けた。マイケル・クライトンの原作小説を入手して読んだら、自分の想像の中で映画が形づいてきた。そして実際に映画を観たら、それはまさに私の人生が変わる体験だった。シネマの歴史という、点線に繋がる流れがあって、その点線上に『ジュラシック・パーク』がある。それは誰もが同意することだろう」と『ジュラシック』の原体験を振り返る。
敬愛するスピルバーグが生み出した『ジュラシック』の新章を手がけることは「正気の沙汰じゃない」とエドワーズ監督。撮影は、スピルバーグの全面協力によって進行したという。「スティーヴンが日々の撮影素材(デイリーズ)を全てチェックしていて、この世の最も偉大な監督が自分の仕事を日々見てると思うと、怖さもあった。私はかなり神経質になっていた。でも、ある日スティーブンから『昨日の映像、良かったよ』とナイスなメッセージが来たときには、それをクルーのみんなにシェアして、みんなでハイタッチしたりハグし合ったり。まるでサンタクロースからお墨付きをもらったみたいな気分だった。彼が喜んでくれたなんて、非日常的な感触だった」とスピルバーグの評価が、日々のモチベーションにつながったそうだ。
エドワーズ監督は製作中、スピルバーグから受け取ったとあるアドバイスを常に頭の中にイメージしていたと明かす。
「映画監督は、料理人のようなもの。観客のために食事を作っているシェフだ。映画の場合、観客に少しお腹を空かせて(腹八分目で)帰ってもらうのがちょうどいい。満腹にすると、お腹が空いている時ほどハッピーにならない」
観客が望むものを与え過ぎず、映画で「揺さぶり」をかけることが大事だとエドワーズ監督。「このような映画の場合、フィルムメーカーは観客をジェットコースターに乗せて、からかったり、操作して、楽しませる。それが映画館での体験です」
完成した作品は、先月行われたニューヨークプレミアで披露され、エドワーズ監督もファンと一緒に鑑賞した。「アメリカの観客の歓声やどよめきはすごい。彼らの反応を体験できたのは素敵だった。知らない者同士が一緒に座って、ものすごい緊張感と感動を分かち合う。これこそが、映画体験だ」と映画館で鑑賞する大切さを改めて訴えている。
「私たちは、みなさんと一瞬のうちにコネクションを持てる。私たちはつながっていて、『巨大な恐竜がやってきて私たちを殺すかもしれない』ということを本能レベルで共有して、一緒に反応する。とても原始的な感触で、これからも人間の中に残っていく。恐竜への愛は、人類が存在する限り続いていくと思う」(編集部・倉本拓弥)


