ADVERTISEMENT

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』唯一言及された歴代主人公 監督&脚本家が明かす登場キャラ一新の狙い

画像は『ジュラシック・ワールド/復活の大地』より
画像は『ジュラシック・ワールド/復活の大地』より - (c)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

 映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(全国公開中)のギャレス・エドワーズ監督と、脚本を執筆したデヴィッド・コープが来日時にインタビューに応じ、本作でキャラクターを一新した理由と劇中で仕掛けた旧作とのリンクについて語った。(以下、映画の内容を一部含みます)

【動画】スピルバーグの夢、遂に叶う!最新作に登場する泳ぐTレックス

 物語は、前作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から5年後が舞台となっているが、主人公オーウェン(クリス・プラット)ら前三作のキャラクターは全く登場しない。デヴィッドは、本作で登場人物を一新したのは「意図していたこと」だと切り出す。

ADVERTISEMENT

 「自由に物語を構築するために重要だと感じた要素が、いくつかあったんです。その一つが、過去のキャラクターたちに縛られないことでした。彼らは前三作で十分に描き切ったと思っていて、私自身は彼らをさらに掘り下げる素晴らしいアイデアを持っていなかったのです。同時に『劇中の出来事は世界中で起きている。だから、限られた人物にフォーカスしなくてもいいのでは』とも思ったんです」

 だからといって、『ジュラシック』シリーズ過去6作で起きた出来事を否定したり、事実を変えるつもりはないとデヴィッドは強調する。「それらはリスペクトされるべきだと思っています。私は『実はあれは別の時間軸の話でした』『実は双子でした』みたいな後出しが嫌いです。そういう作為的な筋立てには共感できません。だからこそ、これまでの物語をすべて尊重しつつ、コンセプトを少し変えて、新しいアイデアを打ち出すことが、今回の挑戦の本質だったんです」

 デヴィッドは、本作と過去の『ジュラシック』シリーズを結びつけるため、オリジナル版の主人公アラン・グラント博士の名前を登場させた。古生物学者の新キャラクター、ヘンリー・ルーミス(ジョナサン・ベイリー)は、劇中で「グラント博士のもとで学んだ」と言及している。

ADVERTISEMENT

 「ルーミス博士のセリフは、ほんの一言ですが、『ジュラシック』の世界観が連続していることを思い出させてくれます。それを大切にしたかったんです」とデヴィッドはグラント博士の名前を出した意図を語る。グラント博士を演じたサム・ニールは、前作『新たなる支配者』で約21年ぶりにシリーズ復帰を果たしたが、彼のカメオ出演は最初から考えていなかったという。

 「誰かを再登場させる計画はありませんでした。そうするためには、ストーリー上、無理矢理な展開を作らざるを得なくなるからです。それは自然に感じられないため、やりたくありませんでした。前作でレガシーキャラクター全員が再登場しましたし、だからこそ、今回は私たちなりの物語を語るべきだと思いました」

来日したギャレス・エドワーズ監督&デヴィッド・コープ

 シリーズ生みの親であるスティーヴン・スピルバーグ監督を敬愛するギャレス監督は、『ジュラシック・ワールド』の壮大な世界観を引き継ぐことについて「いちばん強く感じたプレッシャーは自分自身から来るものでした。この企画を引き受けることはすごく大きな挑戦だったんです」と告白。「『ジュラシック・パーク』は映画史の中でも最高峰の存在。映画史の時間軸を点線で区切られるような、特別な位置にある作品なんです」と作品への思いを明かす。

ADVERTISEMENT

 「映画史を振り返ると、大きな転換点がいくつかあります。白黒からカラーへ、無声からトーキーへ、そしてCGIの登場。私は『ジュラシック・パーク』を『CGI以前/以後』を分ける点線だと思っていて、その後、映画制作者たちは頭の中で想像できるものは何でも映像化できるようになったんです」

 幼少期からSF映画や怪獣映画に触れ、クリエイターを目指すようになったギャレス監督。映画を製作している時は「子供に戻ったような感覚」を味わえるのだという。「子供の頃は、映画を観て『未来にはロボットや恐竜がいて、すごく楽しい世界なんだろう』と思いますよね。でも成長すると、それが“映画”という虚構であることに気づき、現実はもっと退屈だってことを学びます。だから、ジャングルのセットで、みんなで架空のTレックスを見上げている状況に放り込まれると、『子供の頃にパンフレットで約束されていた“未来”だ!』と感じるんです。そういう意味では、とても居心地がいいし、安心感すらあります。映画業界にいる人たちは、基本的には“大人になりたくなかった子供たち”だと思います。だからこそ、プレッシャーがある中でも、現場にいることが一番『自分らしい』と感じられるんです」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT