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「豊臣兄弟!」浅井長政の最期、大胆アレンジの理由 市が返り血浴びるシーンは一発勝負

第17回「小谷落城」より宮崎あおい演じる市
第17回「小谷落城」より宮崎あおい演じる市 - (C)NHK

 仲野太賀主演による大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合・毎週日曜午後8:00ほかで放送中)で織田信長の妹・市を演じる宮崎あおい(※崎=たつさき)。3日放送の第17回で見せた涙の熱演の撮影裏を、チーフ演出の渡邊良雄が語った(※ネタバレあり。第17回の詳細に触れています)。

【画像】涙腺崩壊!浅井長政の最期

 宮崎にとって、大河ドラマへの出演は主演を務めた「篤姫」以来18年ぶり。「豊臣兄弟!」で演じる市は、兄・信長(小栗旬)と織田家のため波乱万丈な生涯を送る女性。信長と同盟を結ぶ近江の浅井長政(中島歩)に嫁ぎ、茶々・初・江の三姉妹を生み育てるが、のちに兄と夫が対立する。3日放送の第17回では、信長に謀反を起こした長政が織田勢に追い詰められ、小谷城に籠城。小一郎(仲野太賀)と藤吉郎(池松壮亮)が市を救うべく小谷城へ向かうなか、長政が覚悟を決めるさまが描かれた。

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 本作では、長政が切腹したのち市の介錯によって死を迎える展開となった。市が介錯する案についてはクランクイン前の段階からあったという。

 「市が長政の介錯をするのは、ドラマオリジナルの設定です。まだ撮影も始まらない初期の初期に僕、制作統括の松川博敬、(脚本家の)八津(弘幸)さんたちと本打ち(脚本の打ち合わせ)をしているときに出たもので、脚本作りの中でも大きなポイントになりました。市のキャラクターを考えていくなかで、いわゆる政治の道具になっている女性ではなく、信長に“お前が男だったらよかったのに”と言わしめるような女性として描いていくときに、意志の強さや主体性をもたせたいという思いがありました。時代考証的にはあり得ない設定かもしれませんし、史実とフィクションの線引きについては議論を重ねましたが、長政と気持ちを通い合わせた市だからこそ介錯をするという話で第17回を終わらせようと」

 同シーンを撮影したのは昨年末のこと。渡邊は、当時をこう振り返る。

 「確か昨年の12月27、28日頃だったと思うんですけど、みなさんこれで今年の収録は終わりだという思いもあり、感極まった中で撮ったシーンです。市は長政と政略結婚で夫婦になったわけですが、彼の優しい人柄に触れていくなかで、織田の女性から長政の妻となりました。長政と気持ちを通い合わせられたからこそ、あの最期が説得力を持つのではないかいう思いで撮りました」

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 渡邊は「顔に返り血を浴びるというのは、宮崎さんの俳優としてのキャリアの中でもなかなかないと思いますが……」と前置きしつつ、「宮崎さんはこのシーンに関してすごく気持ちを入れてくれていたので、僕が細かく言うことはあまりなかったです」と述懐。「刀を振り下ろした時に、その血を浴びる描写によって、長政の思いを受け止めることを表現したいというような話はさせていただきました」

 市が涙ながらに長政を介錯するシーンは一発勝負。「失敗すると血を拭き取るためメイクの直しが必要になる。また、着物にかかってしまうと元に戻すのは簡単なことではないので一発勝負でした。血のりを当てるスタッフには、顔の上部分にはあまりかからないようにと伝えていました。自分としては、血のりの量やかかる位置も含めてドンピシャだったように思います」

 宮崎と渡邊は大河ドラマ「篤姫」に加え、宮崎が語りを務めた2023年放送の連続テレビ小説「らんまん」に続くタッグ。渡邊は、宮崎の印象について「人として成熟した感じを受けた」と話す。

 「宮崎さんとは「篤姫」もそうですし、「らんまん」でも最終週に本編に登場していただいてご一緒しました。「篤姫」の時は(当時)史上最年少の大河主役だったわけですし、まだあどけなさも残っていたと思うんですけど、今や4児のお母さんでもあります。役者としてももちろん、それ以上に人として成熟されたように見えました」

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 なお、第17回は浅井・朝倉家の滅亡、武田信玄(高嶋政伸※高=はしごだか)の死、将軍・足利義昭(尾上右近)の追放(室町幕府の終焉)など、多くの出来事が描かれた。特別な意味を持つ回とあって、あえてオープニングにタイトルバックを入れない形をとった。

 「第18回から新しいフェーズに入るような形になっているので、第17回が1つのチャプターの幕引きというか、ピリオドになるようにしましょうと、制作統括の松川とも話していました。タイトルバックを入れなかったのもその一環です。もちろん、この回ではいろいろな出来事を描かなければならず、それらを極力落としたくない物理的な事情はなきにしもあらずですが、オープニングをこれまでと異なる演出にすることで特別な回であることを提示する意図がありました」

 次週・第18回のサブタイトルは「羽柴兄弟!」。秀吉は織田家家老に昇格し、北近江を拝領。領地に長浜城を築いて城持ち大名となり、小一郎と共に羽柴姓を名乗る……と兄弟を取り巻く環境は目まぐるしく変化することとなる。(編集部・石井百合子)

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